椿×梓 R18

「あーずーさ!起きて、ねえ起きてってばー!」

「…んん、ん…?どうしたの、椿…朝からうるさ…!?何、その髪の色…!?」

朝目覚めると、目の前には僕と同じ髪色をした椿が居て、僕は一気に目が覚めた。

「ねえねえ、梓っ!久しぶりにさ、入れ替わってみようよ!」

「…は?…もう、椿。朝っぱらから何言い出すのかと思ったら…またそんな事言って…僕はやらないからね?」

「えー…だって俺、もう髪色変えちゃってるんだよー?それに、俺になりきった方が梓は甘えやすいでしょー?大丈夫、俺、完璧に梓になりきってみせるよ?」

椿は思い立ったら即行動するタイプだからなぁ…仕方ないから、付き合ってあげようかな…?

「はあ…わかったよ。でも…椿の普段の髪色のヘアマニュキア、確か切らしてたような…あれ?…あった…椿、もしかして朝早く起きて買ってきた?」

「うん!どうしても入れ替わってみたくて、買ってきたんだよー♪梓、早く早くっ!あ、何なら俺が染めてあげよっかー?その方が早く終わるっしょ?」

「ちょ、椿…!自分でやれるから、座ってて。まったく…椿はもう少し忍耐力を身につけた方がいいんじゃない?」

シャンプーで落とせるタイプのヘアマニュキア。これで、僕達は今まで何回も入れ替わってきた。

しかも、椿がただ単に僕に抱き着いてほしいからとか、甘えてほしいから、とか…そんな理由ばっかり。

あと、たまに入れ替わったままエッチな雰囲気になってしまう時がある。

少し…いや、かなり、複雑だけど…でも、僕はどんなに椿の見た目が変わっても、椿だって分かる自信がある。

だって、僕は…いつも、どんな時でも…椿の事だけを見ているから―――。







「あーずーさっ、ぎゅーっ!」

「ちょっ、椿?あんまりくっつかないで、動きにくいよ。」

「だって、俺、梓の事愛しちゃってるんだもーん。梓だって俺の事、愛してるだろー?」

椿が僕になりきる姿は、本当に僕の分身を見ているようで、僕は複雑な気持ちになった。

「…椿?どうしたの、黙り込んだりして。」

「…梓。俺、梓の事…本当に愛してるよ。だから…梓には本当の俺を愛して欲しい。本当の俺を、見て欲しいんだ…。」

椿の瞳を見つめながら言うと、椿は切なげな表情で僕を抱き締めてきた。

「…梓…ごめん…。俺、調子に乗り過ぎてたよな…けど俺、梓を愛したくなっちゃった。…愛してもいい?梓…。」

耳元で囁くように言われ、僕の口から思わず甘い声が漏れる。

「んっ…ぁ、つば、き……愛して…?僕…椿の愛が欲しい…っ…。」

椿の指先が僕の髪に触れ、愛しげに撫でてくる椿に僕の瞳からは涙が流れ落ちる。

「…やっぱり…どんな髪色でも、梓は梓だな。俺より少し猫っ毛で、艶々してて…すげー綺麗だよ…。」

椿の優しい声が胸に沁み渡っていく。僕が椿の頬に手を伸ばすと、椿は僕の手に自分の手を重ねた。

椿の温もりが愛しくて、ずっとずっと触れていたいなんて思ってしまう。

椿の手が僕の服を脱がせていく。乳首を舐められると、僕は思わず身体を震わせて感じた。

「んっ、ぁ…っ…椿………っ…キス、して…?椿の舌…舐めたい…。」

「っっ…梓……可愛すぎ…俺の舌舐めたいとか…俺、そんなん生まれて初めて言われた…!」

「…当たり前でしょ、初めて言ったんだから。…椿は僕としかキス…した事ないんだよね?」

僕が不安になって椿に問い掛けると、椿は優しく微笑みゆっくりと頷くと僕に深いキスをしてきた。

椿の舌が僕の舌に触れると、僕は夢中で椿の舌を撫でるように舐め廻した。

椿はキスをしながら僕をベッドに押し倒し、僕に絡みつくように抱き付いてくる。

椿の匂いに包まれ、僕は幸せでいっぱいになった。椿にこんなに愛されて、本当に幸せだと…そう、強く思った。

「…梓…好きだよ。梓だけが俺の特別なんだ……ねえ、梓…?俺も、梓の特別になれてるの…?」

「…当たり前だよ。僕にとって椿は、誰よりも大切で…特別な人だよ…。こういう事だって…椿としかしないよ。僕の身体も、心も…全部、椿だけにしか触れさせない。永遠にね…。」

「…っ…梓…ありがとな…。俺…梓にこんなに愛されて、本当に幸せだよ…。梓…愛してる。」

椿が放った一言は、さっき僕が感じた事とまるっきり同じで…僕は何だか嬉しくて、椿にギュッと抱き付いた。

「…椿…もっと、僕に触れて…?もっと僕に…エッチな事…して…?」

瞳を潤ませながら誘うように見つめると、椿は僕自身の根元を掴みそっと舌を這わせてきた。

びくびくっと震えながら椿の髪を掴むと、僕自身を手でゆるゆると扱きながら舌を遣いながら上下に口を動かす椿。

僕はその妖艶な表情に堪らなく興奮してしまい、ギュッと唇を噛み締めて快感に堪えた。

「梓…声、我慢しないで…?俺に、ちゃんと聴かせて…梓の、感じてる声…。」

「ん、ぁぁっ…ぁんっ…やっ…んん、恥ずかしいよ…っ…ぁっ…!」

僕自身を扱きながら僕自身に触れるか触れないかのところで喋る椿に、僕は頬が真っ赤になるのを感じながら椿を見下ろした。

「…エッチな事してって言ったのは、梓の方だろ?ホント、梓は可愛いなぁ…優しく出来なさそう、俺。」

「んぁっ…優しくなんて、しなくていいよ…?椿を感じられるなら…酷くされたって、平気…。」

「…またそういう可愛いコト言う…。理性利かなくなるじゃんか…。」

切なげな表情を見せる椿の胸にそっと手を当てると、僕は穏やかな笑みを浮かべ小さな声で呟くように言った。

「…いいから…早く、僕に…椿の、大きくなって脈打ってるそれ…頂戴…?」

椿の中心に手を伸ばすと、椿のそこはもう既に固く膨張しきっていて、先端からは先走りが滴っていた。

「っ…梓…!ごめん、我慢できない…慣らしてないけど、もう挿れさせて…!」

椿の両手が僕の腰を掴む。そして、まだ閉じたままの秘部に自分自身を宛がうと椿は強引に僕の中に入ってきた。

「んっ…あっ…んぁっあっ…!あっ…ひぁっ!…椿…椿…つば、き…!好き…大好き…っ!」

「…梓っ…梓…あずさ…っ…!俺も…俺も梓が大好きだよ…っ…。」

椿の先走りのおかげで徐々に濡れてくる僕の中。それでもまだ狭いのか、椿は苦しげに眉を顰めている。

「っ…ぁ、ん…っ…椿…きつい?力…入れないようにしてるんだけど…っ…んぁ、ぁ…んっ…は、ぁ…っ!」

僕が椿を涙目で見上げると、椿は小さく首を振ってそっと僕の髪を撫でた。

「だいじょーぶだよ?逆に、締め付けが良い方が気持ちいいんだ…だから、梓は何にも心配する必要ないからな?」

額に優しくキスをされると、僕は何だか気恥ずかしくなってしまって、椿から目を逸らした。

「…ぁ…っ…椿が…気持ちいいんなら、良いんだけど…っ…。」

「梓…?目を逸らすなんて反則だろ?ずっと俺を見ていてよ…梓…っ…!」

最奥を何度も突き上げられると、僕は椿をきゅうきゅうと締め付けると、自身から勢い良く白濁を放ちベッドに寝転がった。

その後すぐ、椿も僕の中に熱い精を放つと、僕にぎゅうううっと抱き付いてきた。

僕はそんな椿の胸に甘えるように頬を擦り寄せると、椿への想いで胸がいっぱいになるのを感じた。

「…椿…愛してる。僕は…ずっと、ずーっと…椿だけの傍に居る。傍に居て、椿の事を見つめているから…。」

「…梓…俺も。俺も…ずっとずーっと、梓だけの傍に居る。ずっと梓だけを見つめて生きていく…!」

やっぱり、僕にはどうしても椿が必要で。どうしても、椿じゃなくちゃダメで。

どんなに辛い時でも、椿が居るからやってこれた。

椿がどんなに姿形を変えたとしても、僕はきっと椿を見つけるよ。

だって、椿は僕の特別な人。きっと、どこかに感じるものが残っている筈だから―――。

特別な人だから
(今はただ、呆れるくらいに抱き締めていてほしいんだ)

end.


あお様より、椿と梓が入れ替わっちゃうお話が読みたいとのリクエストを頂きましたので書いてみたんですが、なんかいまいち上手く表現できなくて…すみません。リクエストありがとうございました。これからも、こんな拙い文を楽しんでくださる方が居る限り、更新頑張りますね!


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