要×侑介




その手で、オレの全てに触れて欲しかった。

その手で、オレの全てを奪って欲しかった。

今更、怖がるなんてずりぃよ・・・。

オレはもう、こんなにも・・・かな兄に惚れているというのに・・・。



「かな兄・・・寂しいよ・・・。」

オレは自分の部屋のベッドに寝そべりながら、かな兄の事を考えていた。

かな兄がオレの事を避けているような気がして・・・どうしたらいいのか、分からなくて。

かな兄に抱かれた時の事を思い出してみても、寂しさは消えなかった。

かな兄に会いたい・・・会って、確かめたい・・・かな兄の気持ちを・・・。

そう思った瞬間、オレは部屋を飛び出していた。

かな兄の部屋の前に行くと、震える指でチャイムを鳴らした。

「・・・はい?」

「かな兄・・・オレ、侑介だけど・・・少し話したい事があんだよ。上がらせてくれねぇ・・・?」

「・・・いいよ。ちょっと待ってて?」

かな兄の足音が近づいてきて、オレの胸の鼓動が煩いくらいに速くなるのを感じた。

ドアが開くと、かな兄の手が伸びてきて・・・そっとオレの頬に触れてきてくれた。

ずっと感じたかったかな兄の温もりに、オレの瞳から涙が溢れ落ちた。

「・・・ゆーちゃん、泣かないで・・・?」

「かな、兄・・・っ・・・オレ・・・かな兄の傍に居てぇよ・・・っ・・・。」

「ゆーちゃん・・・。」

オレはかな兄に抱き付くと、背伸びをしてかな兄の唇に自分の唇を重ねた。

「・・・ん・・・っ・・・ふ、ぁ・・・かな、に・・・んんッ・・・。」

かな兄の舌がオレの唇の隙間から入って来て、オレは思わず目を見開いてかな兄を見つめた。

至近距離で見るかな兄の顔は、大人の男って感じで・・・すごく色っぽくて、オレの胸は打たれた。

抱き付いたまま部屋の中へ入ると、玄関で押し倒されてしまい、オレはかな兄の胸を押した。

「・・・ゆーちゃん・・・ごめんね。寂しい思いをさせてたよね・・・。」

「かな兄・・・なんで、オレを避けてたんだよ?オレ・・・かな兄に何かした?」

「違うよ。これは俺自身の問題。ゆーちゃんの事が好きすぎて・・・このままだと、ゆーちゃんに酷い事をしてしまいそうで、怖かったんだ。」

かな兄の手がオレの手に重ねられる。オレはその手をギュッと握り締めると、かな兄の瞳を見つめた。

「・・・かな兄になら、酷くされたって構わねぇよ。かな兄に触れてもらえない方が、オレにとっては辛いから・・・。」

「ゆーちゃん・・・・・・ずっと・・・ずっと、傍に居てくれる・・・?俺だけのゆーちゃんに、なってくれる・・・?」

かな兄がオレの耳元で囁くように訊いてくる。耳にかかる息は熱くて、オレの口からは甘い声が漏れてしまった。

「ん・・・ぁ・・・っ・・・傍に居る・・・ずっと・・・オレは・・・もう、かな兄だけのものだよ・・・。」

かな兄はオレの身体を抱き抱えると、ベッドにそっと寝かせた。そして、部屋中の照明を落とし、オレの服を脱がしていく。

首筋に吸い付かれると、ピリッとした痛みが奔る。痕を残されたんだと気付き、オレは頬が熱くなるのを感じた。

「・・・ゆーちゃんの乳首・・・真っ赤に熟れて、可愛い・・・食べちゃいたくなる・・・。」

乳輪を撫で回しながら乳首を甘噛みしてくるかな兄に、オレの身体はびくんと震えた。

かな兄がいつもよりエッチな言葉を囁いてくるから、その恥ずかしさもあってかいつも以上に敏感になっている事に気付きオレは目を泳がせた。

「か・・・かな兄・・・っ・・・もっとエッチな事・・・して・・・?オレを・・・かな兄でいっぱいにして・・・?」

一晩中愛し合ったって足りないくらい・・・それくらい、オレは心も身体も空っぽだった。

かな兄の愛で、埋め尽くして欲しい・・・。かな兄が・・・欲しくて、欲しくて・・・頭がおかしくなりそうな程に、寂しさは膨れ上がっていた。

「ゆーちゃん・・・・・・っ・・・そんな表情、反則でしょ・・・。抑えが利かなくなっちゃいそう・・・俺・・・。」

「抑える必要なんてねぇよ・・・かな兄の好きなように、抱いてくれていいから・・・。かな兄を・・・もっと、感じさせてくれよ・・・。」

かな兄の手がオレの中心に触れ、先端を突かれるとオレは思わず甘ったるい声を出してしまう。

「・・・ゆーちゃんのここ、びくびく震えて・・・エッチなミルク溢してるね・・・?俺に触れられるとそんなに興奮するんだ・・・?」

オレ自身に視線を向けると、先端からは半透明な液体がトロトロと溢れていて、オレは恥ずかしさのあまり脚を閉じようとした。

でも、かな兄の手によってそれはいとも簡単に阻止されてしまった。

「か、かな兄・・・!恥ずかしい・・・ってば・・・っ・・・ん、ひぁっ・・・!」

かな兄はオレの太腿をゆっくりと撫で回しながら、もう片方の手でオレ自身を掴み舌を這わせていく。

あまりにも気持ち良くて、頭が真っ白になりそうで・・・オレはギュッと目を瞑った。

「ゆーちゃん・・・目閉じちゃだーめ。見ていた方が気持ちよくなれるよ・・・?」

「・・・も、もう・・・充分気持ちいいからいいんだっつの・・・!」

かな兄がオレのを掴んだまま目線だけを上げて喋るから、熱い息が直にオレ自身にかかりイッてしまいそうになる。

「・・・ゆーちゃん可愛すぎ。ゆーちゃんのここも・・・気持ち良くしてあげるからね。」

かな兄の舌が俺の秘部に這わされる。その生温かい感触に、身体の奥からじわじわと快感の波が押し寄せてくるのを感じオレは思わず息を呑んだ。

数分舐め解された後、かな兄の長い指がオレの中に入ってきた。

グチュグチュという卑猥な水音がオレを堪らなくいやらしい気分にさせる。

「・・・あッ・・・んぁ、ぁ、あっ・・・ひぁっ・・・ん・・・っ・・・かな、に、い・・・っ・・・!」

「・・・聴こえる?・・・ゆーちゃんのエッチな音・・・。」

「あっ・・・そんな・・・恥ずかしいって・・・!」

かな兄はオレの秘部から指を抜くと、固く膨張しきった自分自身を宛がい一気に奥まで挿入した。

「っく・・・ゆーちゃんの中・・・俺を締め付けて、離さないね・・・っ・・・気持ちいいよ・・・。」

「あっぁっ・・・や、んんっ・・・は、ぁっ・・・かな兄の・・・おっき・・・っ・・・ぁんっ・・・!」

激しい突き上げの中、かな兄の唇がオレの唇を塞いだ。

激しい律動とは異なる優しい口付けに酔い痴れながら、オレは熱い精を迸らせ絶頂を迎えた。

その後すぐ、かな兄もオレの中に欲望の証を注ぎ込み絶頂を迎えた―――。



「かな兄・・・もう、オレから逃げないでな・・・かな兄が居ないと・・・オレ、やっていけねぇから・・・。」

かな兄に抱き締められながら、真剣な声色で話す。

かな兄はオレの頬に唇を寄せ、オレを強く抱き締めてきた。

「うん・・・もう、逃げないよ。もう二度と、ゆーちゃんを悲しませるような行動は取らない・・・だから、ずっと傍に居させてね?ゆーちゃん・・・。」

「・・・当たり前だろ。オレはかな兄が居なかったら、やっていけねぇんだっつの・・・いい加減解れよ、バカ・・・。」

かな兄の瞳を見つめながらぶっきらぼうに言うと、かな兄は愛しげにオレを見つめて呟くように言った。

「ありがと・・・ゆーちゃん。大好きだよ・・・。」

好き過ぎて傷つけてしまうことは、誰にだってある。

怖がっていたって、二人の距離が遠くなっていくだけだ。

それなら、怖がらずに・・・想いの全てをオレに伝えて欲しい・・・。

かな兄の全てを受け止める覚悟なら・・・もう、できているから―――。

臆病にならないで
(君の想いも痛みも、全部分かち合って生きていきたいから)

end.




似たり寄ったりな話しか書けなくなってきた・・・どうしましょう?(笑)アイディア募集してみようかな・・・?皆さんに少しでも気に入って頂けたら嬉しいです。


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