きみに触れたい
コウルカ R18
俺は、ずっと前からコウの事が好きだった。
コウはそんな俺の気持ちに気付かない振りを続けている。
コウの吐いた小さな嘘が、心にこびりついて離れない。
何度も諦めようと思っては、その考えを必死に振り払った。
俺もコウも、臆病なんだ。
血は繋がっていないのに、変なトコロが似ているから不思議だ。
「コウ…まだ帰って来ないのかな…。コウに触れたい…キスしたい…はぁ…。俺、どうしちゃったんだろう…いつからこんなに、コウの事ばっかり…。」
陽が沈んだWest Bearchで俺は一人コウの帰りを待っていた。
何気なく唇に手を当てると、コウと初めて触れ合った夜が鮮やかに蘇ってくる。
温かくて、優しいキスだった…あ、俺…口でしてもらったんだっけ…。
ふと思い出すと、頬が熱くなるのを感じ俺は慌てて風に当たりに外に出た。
「…コウ…好きだよ…俺にはコウだけなんだ…。」
どこまでも続く空へそっと想いを乗せるように呟いた時、背中に優しい温もりを感じ俺は思わずぴくりと身体を揺らした。
「…コウ?コウだろ?何してんの?声かけてくれればいいのに。」
「…ルカこそ、こんな所でそんな格好で何してやがんだ?風邪引いても知らねぇぞ?…おら、中入んぞ。」
「…コウの事を待ってたんだ。コウに触れて欲しくて、仕方なくて…コウの温もりが忘れられなくて…。」
「ルカ…。そんな事、そんな瞳で言うのは反則だろ…。俺だって本当は…今すぐオマエの事、どうにかしちまいたくて仕方ねぇよ…。」
振り向いてコウに抱き付き涙目で見つめると、すぐにコウの温かい唇が俺の唇に重なった。
最初はお互いの唇を吸い合うだけだったキスも、次第に舌を絡め合う濃厚なキスへと変わっていく。
「んぅ…っ…ん、んん…ふ、ぁ…っ…ん…っ…ん、や…はっ…ぁ、んん…っ…コ、ウ…好き…。」
甘えた声で呟くように言うと、コウは優しく微笑み更に深く唇を重ねてきた。
タンクトップを捲られ、どうしていいか分からず熱い視線をコウに向けるとコウは余裕の無い野性動物のような眼で俺を見つめていた。
乳輪を指先で撫でながら乳首に舌を這わせてくるコウに、俺の興奮は徐々に高まっていく。
乳首を指で弾かれると、俺は背中をしならせながらコウの腕に指先で触れた。
「ルカの乳首…ぷっくり腫れ上がってんな?それに、ここも反応してる。もしかして、オマエ…ずっと我慢してたのか…?」
「ぁっ…や、だって…コウは俺の気持ちに応えたくなかったみたいだし。俺はこのままずっとコウの傍に居られれば、それだけでいいかなって…けど…今は違う。」
そっとコウの両頬に手を添え愛おしげに撫でてみると、コウは嬉しそうに微笑み俺の手を犬みたいにペロペロと舐めてくる。
「馬鹿、それはオマエの勘違いだ。俺はルカの事が…好きだ。もう俺にはルカしか居ねぇんだよ。だから、今更手放すなんて考えるんじゃねぇぞ。分かったな?」
「コウ…!うん…分かった。離さない…コウはずっとずっと、俺だけのコウだ。コウ…大好き。」
「んなこと、いちいち言葉にしなくても分かってる。それより、今は黙って声出せ。我慢するこたねぇだろ?ここには俺とルカしか居ねぇんだからよ。」
コウの細くて長い指が俺の欲の塊に這わされ、そのまま形を確かめるようないやらしい手つきで握り込んでくるコウに俺は思わず唇を噛み締め声を上擦らせながらコウの名前を呼んだ。
「んぁぁっ…!やっ、は、ぁっ…コ、ウ…コウばっかりズルイ…俺も、コウのチンポ、触りたい…。」
「…あぁ、いいぜ?…ほら、よ。」
「…おお…前からデカそうだとは思ってたけど、まさかこんなにデカいとはね…なぁ、舐めてもいい?」
頬を微かに紅潮させながらベルトを外していくコウを悩ましげな表情で見つめていると、黒のボクサーパンツの中からぶるんっと飛び出してきたコウの欲の塊から俺は数秒間目が離せなくなった。
「…ルカがしたいならな?あー…苦しかったらすぐ口、離すんだぞ?」
俺は黙って頷くと、既に熱く震えているコウの欲の塊を両手で包み込むように握った。
そして、そのままパクッと口に咥え唇と舌で啄むように何度も繰り返し刺激を与えていくとコウの唇から切羽詰まった声が漏れていくのが分かり俺は耳を塞ぎたくなった。
本当は聴きたい。コウの声は好きだし、愛おしいと思う。けど…これ以上、コウを好きになったら、もう完全に元には戻れないような気がして怖かったんだ。
世間体なんてまるで気にしないタイプの俺だから、諦めるなんて選択肢は俺の中にはもう残っていない。
けど、肝心のコウはまだ迷っているように見える。迷っていても今日みたいな行為はするし、時折優しい瞳で俺を見つめている事も知ってる。
だけど…だけどね?俺はやっぱり、どうしても…コウに心から好かれたい。愛されたい。
そう想ってしまうのは、俺の我儘なんだろうか。
亀頭を舌で突くと、元々デカかったコウの欲の塊はみるみるうちに硬く太くなっていき口に収まりきらなくなった。
仕方なしにコウの欲の塊から口を離すと、コウの亀頭からとろりとした白濁が溢れて俺の口元を汚した。
俺はそれを舌で舐め取ると、膝立ちの体勢でコウを見上げコウの亀頭に指先でなぞるように触れた。
「…っっ…ルカ…ッ!手つきがエロイんだよ、馬鹿…ッ…!」
「そんな事言われたって…俺のテクって、もともとこんなだよ?」
顔を真っ赤にしながら呼吸を乱しているコウが可愛くて、俺はコウの亀頭にそっと音を立ててキスをした。
「…ん…ちゅっ…コウの精液、熱くてドロドロだ…超エロイ…溜まってたの?」
「っっ…バカルカ…!もう、その辺にしとけ。それより…そろそろ挿れさせろ。おら、ケツ、出せ。」
いつもより少しだけ強引なコウに、俺の胸には幸せな気持ちが生まれ、俺は思わず瞳を潤ませながらコウを見つめた。
コウと繋がる時間は大切。愛してるがダイレクトに伝わってくる気がするから。
コウの愛が暖かい光となって、俺の心に降り注いでくる。
コウの優しさが優しい音となって、俺の脳に響いてくる。
そんな気がしているんだ。
俺は言われるままにコウに背中を向けお尻を突き出し四つん這いになり、顔だけで振り向くと潤んだ瞳でコウを見つめた。
「…コウ…早く、俺の中に、来て…いっぱい突いて…いっぱい、愛して…?」
「ルカ…!もう、我慢の限界だ…!今夜は寝かせらんねぇ…ルカの事が愛おしすぎて離れたくねぇんだ…ッ!」
コウの叫び声と共に、コウの熱くて硬い欲の塊が俺の中に埋め込まれていく。
「あっぁ…!う、ぁっ…!はっ…あ、んん…やっ…あ、ぁっ…ひゃっ…!ん、ぁ…!コウ、の…奥まで挿ってる…!みちみち言ってる…ッ…!」
激しい律動の最中、不意にコウが俺の髪や頬に愛しげに唇を寄せてくるから俺は思わず身動ぎをした。
コウの腰の動きに合わせるように俺も腰を動かしていくと、眉間に皺を寄せ苦しそうな表情で俺の中を抉り続けているコウと視線がぶつかった。
「……ルカ…?そんな見つめられっと、ヤリづれぇだろ…ッ…っく…!」
コウは俺から視線を外すと、俺の腰を掴み更に激しく突き上げてくる。
ああ…やっぱり、俺にはコウが居なきゃダメだな。
俺の心も身体もコウの傍に在るからこそ、安心して前を向いて笑っていられる。
「あぁ…!んぁっ、は、ぁっ…ひ、ぁっ…あ…っ…!コウ…ッ…俺、もう…っっ…!」
恍惚とした表情でコウに向かって限界を訴えると、コウは微かな笑みを浮かべ俺の唇を塞いだ。
そして、そのまま奥までズンと突かれた瞬間、俺は熱く膨張しきった欲の塊の先端から熱い白濁を放ち絶頂を迎えたのだった。
「はぁ、は、ぁ……なあ、コウ…俺、なんっか引っ掛かってる事あるんだけど。」
「あ?何だよ、怖ぇツラしやがって…俺、ちゃんと優しくしてやったじゃねーか。」
「…そうじゃない。上手すぎて逆に不安なんだ。他の男ともこういう事、してるんじゃないのかって…。」
何だか拗ねているみたいな言い方になってしまったけど、本当にそう感じたんだからしょうがないよな?
コウは目を丸くしながら数秒俺を見つめると、俺の身体を強く抱き寄せ首に顔を埋めてくる。
「ルーカ。拗ねてんのか?可愛い奴だな、テメェは。俺は慣れてなんかいねぇよ。大体、俺が童貞喪失したのはついさっきだからな。」
「…それ、マジで言ってる?嘘だろ…?だって、コウ…男子に結構人気あるよな?」
「馬鹿、嘘吐いてどうすんだよ。俺は嘘なんか吐かねぇ。俺には…その…ルカだけだ。だから信じろ。…な?」
「…コウ…。うん…分かった。俺、コウの事信じる。コウが俺の傍に居てくれるのは、同情なんかじゃないって。だって…同情でこんな事出来る程、コウは腐ってないって知ってるからね。」
コウが俺の隣に居る。たったそれだけの事が、今の俺には何よりも大切な事なんだ。
お互いの言葉だけを信じて
お互いの事だけしか見えなくなるまで愛し合えたなら
どんなに幸せだろう
何度考えたって、今の俺には分からない
けど、これから俺はその幸せを探しに行く。
コウと二人で、幸せになるから。
end.