あなたがうそを呑む
とびちるぎらぎらしたばらの破片も
砂糖づけの肌膚の薄いところも
わたしの甘ったるい総ても
刺されたやまいのような夜るも


かなしい 逢いたい あなたに あなたが わたしの頸を絞める手つきがなつかしい あの瞬きの 逆流する胃酸のべたつきが歯のうらがわに纏わりついて えいえんにきえない感かくも きおくも 火だるまのわたしの肢体も 逢えずじまいの夜るが わたしたちにとって いちばんかなしい

黄金をばら撒いた
ずゐまでばらばら
みつばちに刺されたみみが焦げついて
バターの溶けるかんかくがする
こわれたかんかくがする


瞼を綴じて ああ漸く忘れられる あなたの果てのないうつくしさも あつさも ぼろぼろになってしまった骨の残骸も これで御別れだから にどと逢うことはかなわない かなしい傷あとたちだから

夜る辺を拾う
花と見紛う吸い殻を散らしてる
ああわたしの感性が鈍いまま綴ぢられる
あなたは透きとおる春のしもべ

淡いみずがふち
謎めいて齧りついてた
蜂の痕があった
しらない宗教があった
あなたが砕いた金縁の
ざらめのような甘さがあった

みごとな配色のさなかで

愛で突き破られた
たぷたぷの肺に宝石を詰めて
“いつまで狂っていられるか”に惑わされる

じゃあね
なんて
あなたはしんだ よるの棘だね








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