うてなが色づくみたい
しんでしまうわとささやくみたい
悪人だったあなたが恋いしい  識らずにわるい戀をかさねている  ならされた蛍光色はわたしの頬にひとすぢ  ゆるめられて黙んまりでふれないでね  春になればくちなし  あなたはかるめらをひと舐め  ぶどうのばらみたい  灯りのない夜べでわたしたち  みしらぬ宇宙人をたくさんかぞえて  どれかひとつを災いだと疑りたがっている  うそつきの安寧でありたがっている  むなしい“ごっこ”なら好い  このよるで御別れならきっと好い  もうにどと逢わないならもっと好い  でたらめのくちづけでしねなくさせて  怨めしいかかとのなめらかな瀞みでしずませて  夏のあとの存在しないもの悲しさで  わたしたち酔えない呪いにまどわされて  そろそろ降りてしまいましょ  ふるいお開きに則りましょ  牡丹いろの瞼にみづみづし
「宇宙人いくついたの」
「なにいろの?」
「ぴかぴかのちっちゃなの!」
くすんだ海もちかい  星ぼしはましろい隙間に吸い込まれて  つめたくぼやけたゆびはあなたを想わせる
潮のにおいはまだ
どこにもない










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