ざらめと無花果
おばけになってみせて
いびつな柔らかさでなぞられるたびに
あなたの頬の円みに根を這わせたくなる
おめめをいちごの溶けたいろにして
ギンガムチェックみたいにかわいい
かわいい死にざま
わるいこいびとの癖のこと
つばきの甘みごと
あなたの正体はあまくないみぞれかも
わたしの恋いは亡き骸にこぼされたあじかも
すきで取り返しがつかなければ好いのに
さんかくのみえない凡て
どうせ怪獣だ
わたしたちふわふわした悲惨にねんねして
呪われない脊中を恥じてる
ほね撫ぜて淡いひと
ゆさぶらないでね
髄まで折って毒してね
あなたわたしのきらいないぬに似てる
よるのうみで塩っぱくなっちゃった戀に似てる
おさない蛹の刺青がいたい