「『ねぇナマエ!トムって何であんなにハンサムなのかしら?ミスター・ブラックもミスター・マルフォイも負けないくらいハンサムだけれど、私はもうトムに首ったけだわ!』」

「ナマエ、その気色悪い声は誰を真似してるの」

「気色悪いなんて酷いじゃないか。因みにこれはリラ・レバンダだ。」

「ああ、君のその気色悪い声は強ち間違ってはいなかったね」


大広間のスリザリンのテーブルは珍しく空席ばかり…というより、二人しか居なかった。それもその筈、今日からクリスマス休暇だからだ。ナマエも先程友人を見送ったばかりである。


「あ、郵便」


頭上を通った鴉はナマエに一通の手紙を落とす。
隣でリドルに「無理を押しきって鴉を連れてきたのは歴史上でも君くらいなものだよ」と言われたが無視した。…殴られた。


「い"って!なんですぐ殴るかなミスター・リドルは!」

「苛ついたのと君のその反応が面白いからだよ」


畜生、周りに生徒が居ないからって好きに殴りやがってこいつ。片手で痛むところを擦り、もう片方の手で手紙を開けると、どうやらパーティーの招待状らしい。


「何それ」


視線だけをこちらに寄越して預言者新聞を片手にコーヒーを飲むリドルが言った。


「パーティーの招待状だってさ。てかリドルお前休日の親父みたいだな!がはははははは!」


ドカッ


「……っ、〜〜〜っ!!」

「笑うならもっと品良く笑いなよ」

「い、い、痛い……!!」


何これ涙浮かんできた!脛蹴らなくてもいいじゃないか…


「どこが痛いの?」

「鬼だ…!人智を越えた鬼だ……!」

「ねえ。」

「…こ、心」

「ハッ」


グサッ


「ね、何いまの音」

「本当に心に刺さった音」

「SE使う人間初めて見た」


濡れたようなまつ毛を伏せがちに睨まれる。


「あ、なんか目覚めそう(ドキドキ)」


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