04 おひるごはんのじかん追加のお膳を作り終えて、広間に向かう。
配膳が終わったら賑やかな昼餉の時間だ。
けれど、いつもと様子が違う。
「そこの魚、俺が頂いたーっ!」
そう言って、永倉さんが平助くんのお皿に手を伸ばすのはいつも通り、でも――
「ん、いいよ。なんか俺、今日はもう腹いっぱい」
いつもならすかさず反撃する平助くんが、眠そうな声でそう答えたものだから、皆驚いた顔で彼を凝視する。
「新八さん、よければ僕のもどうぞ」
もともと小食だけれど、ほとんどお箸をつけていない状態で、沖田さんもごちそうさま、と手を合わせた。
――沖田さん?
そこで、私はようやく異変に気づく。
「あの……沖田さんだけ、なんだか異様にちっちゃくなってませんか?」
「それは僕がもともと大きかったからそう思うだけじゃない?」
平助くんと同じように眠そうな顔で沖田さんはそう言うけれど、そうじゃなくて――
皆さんを見回して、首を傾げる。
もともと小柄な斉藤さんと平助くんがこの中じゃ一番小さい。
それと同じ位小さくなってしまっているのが沖田さんで――
永倉さんと原田さんは、彼らよりも少し大人びた感じ。
土方さんに関しては、子供になった、と言うよりも若返ったと言った方がいいかもしれないという感じだった。
それをどうにか言葉にすると、沖田さんはゆっくり頷く。
「皆同じくらい若返ったっていうんなら、僕と土方さんじゃひと回り近く歳が離れているから無理もないだろうね」
「おい総司、そんなに離れてねぇだろうが」
「わぁ怖い。幼子を苛めるんですか?大人げないですよ、土方さん」
すごんだ土方さんをけろけろと笑いながら茶化して、沖田さんはそううそぶく。
中身は沖田さんのまんまでも、余りにもあどけない姿に土方さんも居心地悪く感じているのだろう、いつもの怒鳴り声は引っ込めて不機嫌に黙り込むとかりりと沢庵をかじった。
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