ある日の思い出


よし、今度こそ大丈夫です……おっほん。
皆様お待たせ致しました。姫乃です。前回に引き続いて当本丸をご紹介しようと思います。ごゆるりとお楽しみ下さいませ。

まずは先程紹介し損ねました、最近第一部隊になったこの方をご紹介しますね!

「倶利伽羅さん!探しましたよ!」
「なんだ?俺は馴れ合うつもりなんてないぞ」
「そうおっしゃらずに。光忠さんが心配しますよ」
「ふん……」

この少し愛想のない方は大倶利伽羅さん。まだまだ訓練中ですが、徐々に実力をつけていって下さっています。
あまり皆さんと関わるのがお好きじゃないようで、今みたいに庭の木陰にいらっしゃることが多いです。

「おー、主こんなところで何してるんだ?」
「あ、御手杵さん!ちょうどいいところに!」
「ん?」

こちらの方は槍の御手杵さんです。まだ来て下さったばかりであまりお話したこともないのですが、とても朗らかないい方です。

「皆さんを撮影しているんです。御手杵さんも何か一言お願いします!」
「えっ?えー、じゃあ……1人で心細いから蜻蛉切を早く連れてきてほしいな」
「あうっ……ぜ、善処します」

御手杵さんの笑顔が眩しくて思わず逃げてきてしまいました。いつも某バスケ部の方とよく似ていると思ってしまいます。
だめだめ!今は皆さんを紹介しないと!

「姫乃。ここにいたのか」
「あ、山姥切くん。どうしたの?」
「第三部隊のやつらが戻ってきたぞ」
「わー、報告ありがとうございます!早速行ってきますね」
「ああ。一応全員広間にいるようにとは伝えておいた」
「本当にいつも助かります。さすが私の近侍ですね」
「写しに感謝する主はあんたくらいだ」

ふふ。山姥切くん照れちゃった。こういうところが彼の可愛いところなのですが、あまり褒めると拗ねちゃうので内緒です。
それじゃあ広間に向かいましょうか。
うちでは第一、第二、第三部隊と3つの部隊が活躍してくれているのですが、主に第二第三部隊はいつも遠征に出てもらっています。万年玉鋼不足の当本丸ではわずかな資源でもありがたいと言うものです。

「主、ただいま戻りました」
「お疲れ様でした長谷部さん、みなさん」
「今回こちらが持ち帰った資源になります……主、先程から気になっていたのですが、そのカメラはなんですか?」
「皆さんを紹介する記録映像を撮っています」

あらあら、皆さんいろいろな反応があるかとおもったのですが、いまいちでしたね。
まず今話していたのが第三部隊隊長のへし切長谷部さん。その隣から順番に蜂須賀虎徹さん、歌仙兼定さん、陸奥守吉行さん、宗三左文字さん、鳴狐さんです。
唯一、陸奥さんだけが笑顔で手を振って下さいましたが、どうやら皆さんお疲れのようですね。不躾な真似をしました。

「皆さんご苦労様です。どうぞ、お部屋に戻って休んでくださいね」
「それでは失礼致します主」

長谷部さんを先頭にぞろぞろと広間を出ていかれました。
第三部隊が戻ったということはそろそろ……

「たっだいまー!姫乃ちゃーん、どこーっ!」

帰ってきたようですね。出迎えに行きましょう。
玄関にはやはり第二部隊の皆さんが揃っていますね。

「おかえりなさい。お疲れ様でした」
「姫乃ちゃん!お出迎えありがとう!はい、これ今日の成果!じゃじゃーん!」
「わー、ありがとう乱ちゃん」
「あるじさまー、ぼくもいっぱいがんばったんですよー!ほめてください〜」
「いまつるちゃんもありがとう」
「……この花を貴女に」
「ありがとう小夜ちゃん。お疲れ様」
「大将、広間に行かなくていいのか?」
「ああ、移動しましょうか。ありがとう薬研くん」
「姫乃、いちにいはまだ見つからないの?」
「俺たちと鳴狐じゃ手に負えないぜ短刀たちは」
「あう、ずおちゃんとばみちゃんもお疲れ様。探しているんだけど、もう少し待ってくださいね」

わいわいがやがや。第二部隊が戻ってくると一気に本丸が賑わいます。
広間に向かっていますが、台所の方からどなたかいらっしゃいます。あ、あの方も忘れてはなりません。

「すぐ向かいますから先に広間に行っていてくださいね」
「はーい!」

乱ちゃんの返事を聞いてまっすぐ向かいます。
両手には大皿を持っていらっしゃいますが、どうやら私に気づいたようです。

「姫乃ちゃん、第二部隊の子たちが戻ったようだね。燭台切が仕上げを手伝ってほしいと探していたよ」
「青江さんありがとうございます。大広間の方に向かわれるのならたぶん庭先に江雪さんがいらっしゃるので声をかけて戴いてもいいですか?私もこの撮影が終わればお手伝いに向かいますので」
「わかったよ。それで、何か言えばいいのかな?」
「ぜひお願いします」
「僕はにっかり青江。この本丸に初めて来た脇差さ。こんなところでどうかな?第二部隊が広間で待っているんだろう?行ってあげないと」
「ありがとうございます、ではまた後ほど」

どうやら昼餉の時間のようですね。少し急ぎます。
広間からは先程と変わらず賑やかな声が聞こえますね。

「お待たせしました。それでは改めて報告を……」
「姫乃ちゃんおっかえりー!遠征は大成功だったよ!」
「お疲れ様でした。特に変わったことはありませんでしたか?」
「うん!楽しかったよ!」
「それはよかったです。ではちょうど昼餉の時間なので手を洗って大広間にお願いしますね」
「はーい!」

第二部隊隊長は乱藤四郎、それから今剣、小夜左文字、薬研藤四郎、骨喰藤四郎、鯰尾藤四郎の6名に任せています。
普段は薬研くん以外はちゃん付けで呼んでいるので、名前で呼ぶのは少し照れくさいですね。
さて、大広間に行きましょう。

「あー、腹へったー」
「そうだね。僕たちもお手伝いに行きましょうよ」
「そうですね。いつも燭台切殿に任せきりというのもいけませんね」
「あ、姫乃さん!」

あら、大広間には短刀の子たちがいました。
愛染国俊、秋田藤四郎、前田藤四郎、五虎退の4人です。
いつも本丸で私のお手伝いをしてくれてる4人です。今日は本丸の大掃除をお願いしていました。きちんといつもこなしてくれるのでとても助かっています。

「みんな光忠さんのお手伝いに行ってくれるの?」
「はい!愛染くんも行くよね?」
「姫乃ねーちゃんに言われたんじゃ行かないわけにはいかねぇだろ」
「ふふふっ。それじゃあみんな一緒に行きましょうか。私もお手伝いです」
「わーい!」

どたどたと我先にと走っていくのを見ているととても微笑ましいです。
いつまでも、こんな風に仲良く過ごせればと望んでしまいます。
それでは長い時間お付き合いいただきありがとうございました。新米審神者姫乃でした。


ある日の思い出

今はもう違いますが、こんな日があったのです。
部隊に入れない短刀ちゃんたちは大抵お掃除をしてくれてるというイメージの我が本丸です。




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