今日も我が家は平和です


こんにちは、新米審神者の姫乃です。
今日は我が家の本丸をご紹介しようと思います!


今日も我が家は平和です


まずは何と言ってもこの方を忘れてはいけません。

「山姥切くん、こんにちは!」
「姫乃?どうしたんだ突然」
「皆さんを紹介しようと思って撮影しているんです!」
「なっ……!?写しなんて見せびらかしてどうするんだ」

あらら、山姥切くん恥ずかしがって白布で顔を隠しちゃった。
彼は山姥切国広くん。私が審神者としてここに来るときに最初に選んだパートナーです。
色々な方たちがやって来た我が家ですが、彼の他に近侍をこなせる方はいないと思っています。少し恥ずかしがり屋で卑屈なところもありますが、みんなをぐんぐん引っ張ってくれる頼もしいリーダーシップも併せ持っている頼りになる方です。

「……今日は出陣しないのか?」
「遠征には行ってもらってるので、またお出迎えはお願いしますね」
「わかった」

さてさて、次はどなたに会いに行こうかな。
ああ、遠征に出てもらってるメンバーはまた戻り次第ご紹介しますね。
くんくん……なんだかいい匂いがしてきました。台所に行ってみましょう。

「あ、光忠さん!ちょうどいい所に」
「ん?どうしたんだい姫乃ちゃん」
「お料理当番引き受けてくださってありがとうございます。とても助かってます」
「構わないよ。世話を焼くのは好きだからね」

この方は1番最近うちに来られた燭台切光忠さん。
今まで私の担当だった家事全般のうち、料理を引き受けて下さった方でもあります。
ほかにも第一部隊の控えとして前線でも活躍していただいています。

「あ、光忠さん。よければ私の割烹着お貸ししましょうか?それじゃ服が汚れちゃうかもしれませんし」
「いや……さすがにそれは格好つかないし遠慮しておくよ」

光忠さんの割烹着に三角巾姿が見たくて何度か頼んでいるのですが、連敗中です。いつか着てもらおうと思います。
次は……内番を頼んでいる方々に会いに行きますね。
まずは馬当番をお願いしているお二方をご紹介します。

「鶴丸さん、兼定さんお疲れさまです」
「おや、姫乃じゃないか」
「あんた何してんだ?」
「お二人の内番姿を撮影に来ました。はかどっていますか?」

いつも全身真っ白な鶴丸国永さんと今日は新選組の法被を着ていない和泉守兼定さんです。
お二人ともいつも最前線で戦っていただいているのであまり本丸にいらっしゃることはないのですが、こうして出陣していない時は穏やかなお二人を見ることができます。
今日はご自分たちが乗っている馬の世話ということで、文句はいいつつもきちんとこなして下さっていたので一安心しました。
おもに鶴丸さんが困り者なのですが……

「兼さん!藁はこれだけあれば足りますか?」
「げ、国広今来るんじゃねえよまったく……」
「堀川くん?ひょっとしてお手伝い?」
「あ……怒ってます?姫乃さん」

両手いっぱいの藁を抱えてやって来たのは堀川国広くん。前の主つながりで兼定さんが大好きな可愛い子です。
なんだかんだ言ってもしっかり者の彼には本丸の警護についてもらうことが多いので、兼定さんが出陣しないときは大目にみているのですが、

「堀川くんには怒ってないよ。ただ、兼定さんと鶴丸さん?」
「姫乃、俺は無実だ。和泉守が勝手にやったんだ」
「うわきたねぇぞ鶴丸さんよー!」
「あ、あの!兼さんを怒るなら僕も一緒に……」
「まったく……今回は堀川くんに免じて許しますが、次また見つけたら許しませんよ?」

なんだかんだ甘いと言われる私です。
他の審神者がどうなのかは知りませんが、私はできるだけみんなに名前で呼んでもらおうとお願いしています。
私はみなさんに戦って戴いている立場ですし、はっきり言って非力です。戦場に赴くことはできませんから、傷つくのはみなさんで。
刀である皆さんが人の姿を与えられたことをどう思っているのかはわかりませんが、私たちの都合で人の姿で戦って戴いている以上はできるだけ本丸にいる間は自由に過ごしていただければと思っています。

「貴女はそのようにお考えだったのですね」
「あ、江雪さん。今日はこちらにいらっしゃったんですね」
「ええ。菖蒲が綺麗に咲いていましたから眺めておりました」

池のほとりで佇んでいらっしゃるこの方は江雪左文字さん。我が家に来て下さった最初の太刀さんでした。
今でも最前線に出ていただいています。

「貴女のような人が審神者として戦っているのはいささか疑問ですが……触れずにおきましょう」
「ありがとうございます、江雪さん。今日は出陣しませんから、ゆっくり過ごしてください」
「ではお言葉に甘えてそうさせていただきましょう。小夜と宗三も直に戻るでしょうから」

戦うことが得意な方不得手な方もいれば、好きな方嫌いな方もいらっしゃいます。一口に刀剣と言っても個性がある方が多いので日々賑やかになっていく本丸が楽しみで仕方ありません。
あ、向こうがなにやら賑やかですね!行ってみましょう。

「清光!どうしてお前はいつもそうなんだ!」
「あぁ?そういう安定も相変わらずじゃねぇか!」
「カッカッカッ!喧嘩するほど仲が良いとはやはりこのことだな」
「「仲良くなんてない!」」

あら、珍しい組み合わせの面々ですね。
加州清光、大和守安定、それから山伏国広さんです。おそらく状況から察するに清光と安定が喧嘩しているところに山伏さんがたまたま通りかかって宥めようとして逆にひどくなっているのだと思います。
こうなってしまっては、下手をすると手入れ部屋送りになりかねないので止めに入るしかありません。

「清光、安定。そこまでです」
「おや、主殿も散歩ですかな?」
「いえ、そういう訳ではないのですが……まぁ、似たようなものかもしれませんが」
「姫乃!清光がまたつまらないことを言うんだ!」
「はぁ?安定が押しつけがましいことばっか言うからだろうが」
「はいはい。山伏さん引き継ぎますから修行に戻って戴いて大丈夫ですよ」
「そうですかな!では拙僧はこれにて!」

山伏さんはきっと悪気はなかったのだと思いますが、これではこの2人の喧嘩はおさまりません。2人の間に入ってうまくまとめるほかありません。

「さてさて、今日は一体どうしたの?」
「清光が姫乃が大切にするのは部隊に配属されてる刀ばかりで、それ以外はどうでもいいんだって言うから」
「そんなこと言ってねぇよ!ただ俺より安定の方が大事にされてよかったなって言っただけだろ!」
「ふむふむ。要は清光が拗ねちゃったのね」
「そうそう!」「そんなことない!」
「ふふっ、2人とも可愛いんだから。私にとってはみんな同じくらい大切だよ」

よしよし、と2人の頭をほんの少し背伸びして撫でるとにわかに表情が和らいでいきます。
ほんのり紅くなった頬を隠すように俯く清光と堂々と朗らかに笑う安定が対照的だけど、とても優しい子たちなんです。私よりも前の主の方が好きなのは少し妬けてしまいますがね。
さて、2人の機嫌もなおったところで次へ行きましょうか。次はー……あ、大変!容量がいっぱいになってしまいました!
ではこの続きはまた後ほど!以上、新米審神者の姫乃がお送りしました。


まさかの続く。
がっつり私の本丸紹介ネタでした。




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