Vesperia | ナノ

本日、強風につき

 さらりと風が吹く。ジュディスは目の前を歩く青年が、風になびく長い髪を煩わしそうにおさえていることに気付いた。

「ユーリ、髪、邪魔そうね」
「ああ、こんな風が強いとな」

 男性でユーリほど髪を長くしているのは珍しい。少し気になって聞いてみれば、気付いたら伸びていたと返ってきて、なるほどユーリらしいと妙に納得。

 ジュディスは強風と戦闘で少々乱れたシニヨンをほどき、そして何かを思いついたのかいたずらをする子供のようにくすりと笑った。

「ねぇ、その髪結ってあげましょうか?」
「ん?」
「きっと、すごく楽になると思うわよ」

 ユーリは少し考えていたが、再度吹いてきた強風が不快だったのか、それじゃ頼むとジュディスに背中を向けた。

 ジュディスが長い黒髪にするりと手櫛を通す。前から思っていたけれど、本当にきれいな髪だ。

「何か髪のお手入れはしているの?」
「いや、なんにも」
「何もしていなくてこんなにきれいだなんて、羨ましいわね」

 ジュディスがユーリの髪を纏めながらそう言うと、ユーリは意外そうに笑った。

「ジュディでもそんなこと気にすんのな」
「あら、私だって女ですもの」

 ユーリの後頭部の高い位置で一つに纏めた髪を、黒い髪紐で少しきつめに縛る。

「はい、できたわ」
「サンキュ」

 そして二人が再び歩きだそうとすると、後ろからカロルが追い付いてきた。

「も〜、二人ともどんどん先に行っちゃうんだもん。ちょっとくらい待ってよ〜」
「あら、ごめんなさいね」
「あれ、ユーリとジュディス、お揃いだね」
「ああ、」
「そういえばそうだな」

 カロルに言われて、ジュディスは先ほど解いたシニヨンを結いなおしていないことに気付いた。

「カロルもジュディに結ってもらったらどうだ?」
「ボクはそんなに髪長くないから無理だよ」
「それじゃ、髪が伸びたら結ってあげるわ」
「えー…」

 カロルをからかい笑う二人の髪が、風に吹かれてふわりと揺れた。



本日、強風につき
(ポニーテール警報発令中!)


――――――――――

なんだか意味不明ですみませ…!
ユリジュディでお揃いポニーテールさせたかっただけですポニテ大好き!(^O^≡^O^)

あと家族みたいな凛々の明星も大好きなので無理やりカロル先生もご登場です←


09/17



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