前提条件

※現代学パロ


「ね〜、ジェージェーってば」
「なんなんですか、さっきから」

 隣の席からのしつこい呼び掛けに、はじめは無視を決め込んでいたジェイもとうとう根負けして読みかけの本から顔をあげた。

 ノーマは上半身をぐてっと机に倒れさせながら、顔だけをジェイに向けて不貞腐れた子供のように口をとがらせた。

「あたしさ〜、16歳になったんだよ?」
「それはおめでとうございます」
「だ〜も〜、そうじゃなくて!」

 がばりと起き上がってジェイを睨みつける。しかしジェイはそんなことはお構いなしで、再び読書をはじめてしまった。
 祝福の言葉がほしいだとか、プレゼントがほしいだとか、ノーマが言いたいのはそんなことではない。現に、一ヶ月ほど前からしきりに言い続けていたおかげで、朝一番にぶっきらぼうな祝福と洒落たプレゼントは貰っていた。

「だから〜、あたしもう結婚できるんだよ!?」
「それがどうかしたんですか?」

 勢い良く立ち上がってビシッと右手の人差し指を突き出し、どうだ、と言わんばかりに叫んだノーマに、ジェイは興味なさげにつぶやいた。付き合ってると思ってたのはあたしだけ? なんて、不吉な考えが頭を過る。

「こうなったら、ケッコンしてやる!」
「誰とですか?」
「うっ……」

 どうせ真面目に聞いていないんだろうと、半ば自棄に呟いた言葉はしっかりと聞かれていて、痛いところをつかれる。

「仮に結婚する相手がいたとしても、どうせ卒業するまで待たなければいけませんよ。退学するなら別として」

 卒業するのは18歳。それまで相手が待っていてくれるといいですね、なんて皮肉気に返される。結婚できる年齢は女が16歳、男が18歳。

「〜っ、わかったわよ、あと二年待ってあげますよ〜だ!」

 ノーマがジェイに負けてそう言うと、それは助かります、なんて微笑むもんだから、本当にズルい。


前提条件
(まわりくどいあいのことば。)




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よく考えたらこいつら結婚前提のお付き合いすぎて辛いwww


01/18



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