虹の上のコンサート

「ヒョオォォォォウ! 宴じゃ〜!!!!」

 一時間後、予定通り望海の祭壇に集まった時には、そこには予想以上の人数が。どうやら山賊とかモフモフ族とか、みんな来たがったらしい。

「オルコット殿も来てくれたんだ」
「みんなが集まるというのに、私だけ仲間外れなのも寂しいからな。一緒に来させていただいたよ」
「私、お父さんとクロエさんとピクニックができるなんて嬉しいです!」
「ちょっとエルちん、あたしらもいること、忘れないでよね」

「キュ〜! みなさんお久しぶりだキュ!」
「ピッポたち、ホタテクレープと魚鍋パンをいっぱい作ってきたんだキュ! みなさんで食べてほしいキュ〜」
「お、ええのう!」
「ちょっとモーゼスさん、そんなに一気にとらないでくださいよ!」
「気にしないでたくさん食べてほしいキュ!」
「ポッポ、そんなこと言ったら…」
「ヒョオォォォォウ!」

「テューラさん、来てくれてありがとう」
「べ、別にあなたのために来たわけじゃ…。あれだけ頼まれたら、断りづらかっただけです」
「…!」
「どうしたの、お兄ちゃん?」
「ミュゼットさん!?」
「ふふ。カーチスさんとイザベラさんに誘っていただいたの」
「あいつら、ミュゼットさんに声かけにいってたのか」
「陛下にもお越しいただければ、近衛軍としての仕事もこなせ、それに陛下にも楽しんでいただけると思いましたので」
「その通り! いわば愛のためだ!」
「わけがわからない」

「ほらほら、ど〜よ! 目が見えるようになってから、こんな高いところから海見るなんて初めてでしょ!」
「ふん、余計なお世話じゃ」
「ししょーにも見せたかったな〜」
「あの馬鹿ならどうせ、雲の上からでも見ておるじゃろ」
「この前、お墓にししょーの幽霊も出たみたいだし…。案外その辺にいたりしてね」

「兄貴、本当においら達も来てよかったの?」
「何を言うとるんじゃ。当たり前じゃろ」
「みんなも本当に楽しんでるよ。…ここにギートもいればよかったのにね」
「クカカッ! ギートなら、そのうち戻ってくるじゃろ。ワイらはいつ戻ってきてもいいように、ギートを迎える準備をしちょればいいんじゃ!」
「うん、そうだね!」

「セネルくーん! パンいっぱい焼いてきたわよ!」
「ハリエット、こんなところで走ると危ないぞ!」
「お、ウィルッちとハッちも登場ですか〜!」

 坂道を駆け上がってきたハッちをあとからウィルッちが追いかけている。これじゃウィルッちが転けかねない。
 さて、料理はどうなったかな〜。ハッちの料理は絶望的だ。ウィルッちがちゃんとフォロー出来てればいいんだけど。

「ん、もう一人誰かいるぞ?」

 突然セネセネがそんなことを言いだしたからウィルッちの後ろを見てみると、確かに人影が。よ〜く目をこらしてみれば、白いコック帽にコックコート。それにあの巻き毛。

「って、ワンパン!?」
「こんなに走らすなんて、酷いパン〜」
「なぜミミーがここに?」
「ハリエットと材料を買いにレッドピーマンへ行ったら、店にいたんだ」
「で、なんでついてきたわけ?」
「ピクニックをするから急いでいると言ったら、どうしてもついてくると聞かなかったんでな…」
「小生だけ仲間外れだなんて酷いパン!」
「ついでにハティ達がパンを作るのを手伝ってもらったの」
「ふふん。ワンダーパン職人流パン術免許皆伝、第28代目ワンダーパン職人の小生自らパンを作ってやったんだパン。心して食うがいいパン!」

 ワンパンとウィルッちがいたということで、ハッちの料理も食べられないものではなくて安心。ワンパンも今日だけは役に立ったね〜!

「それじゃ、さっそく宴会といきますか〜!!」
「ヒョオォォォォウ!」
「それにしても、よくこれだけ集まったな…。ん、どうしたんだ、シャーリィ?」
「今までいろんなことがあったなぁって。私、遺跡船に来れて本当によかった」
「そうだな」
「私も、心からそう思う」
「みんなそれぞれに辛い出来事を乗り越えてここまできたんだ。人生とは何があるかわからんな」
「ウィルッち、親父くさ〜」
「誰が親父だ!」
「ふごっ!」
「ノーマさんも成長しませんね」
「ジェー坊もぜんぜん背伸びとらんの」
「誰が身長の話をしているんです?」
「ギャーッ! そこで苦無出すな!」
「ちょっと、モーすけ耳元で叫ばないでよ〜!」
「おまえらもいい加減にしろ!」
「ギャッ!」
「ふぎゃっ!」
「…っ! なんで僕まで……」


 拝啓、グー姉さん。なんてちょっと真面目にはじめてみたけど、あたしらは相変わらず元気にやってるよ。そりゃグー姉さんがいなくなった直後は落ち込んだりもしたけど、いい加減あたしらで歩いていかなきゃね。だからグー姉さん、心配しないで。
(いってきます、グー姉さん)


 そこで突然、魔物があらわれた。ポシェットにいれておいたストローをとりだす。そして詠唱の準備に入る。爪が、黄色く光った。

「モフモフ族のみんなはさがってて!」
「ジェイ、キュッポたちも戦うキュ!」
「兄貴、おいら達も!」
「こんな雑魚相手に大人数でかかることもないわい。ワイらに任せとけ!」
「クーリッジ!」
「ああ、いくぞ、みんな!」

 そうして望海の祭壇に、七色の光が溢れだした。



(グー姉さんまで、この声響け!)




――――――――――

title:電子レンジ

レジェンディア祝6周年!
ってことで、全員集合みたいな感じでわちゃわちゃさせてみました(^ω^)

グー姉さん除くレジェパーティの爪術で虹色、あとコンサートはみんなの笑い声みたいなつもりです(・ω・')

ED後でもたまにみんな集まって宴会みたいなことしてればいいと思うんだ!

とりあえずレジェンディアおめでとおぉぉぉぉぉ!!!!!!


08/25





back


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -