01 悪い夢/御堂
ぜんぶ、夏のせいだ。
夏の熱気にあてられてしまったのだ、ピアスも、ハイトーンの髪も、家出も、なにもかも。

02 ドルチェの魔法/三ツ井
まどろみのなか、早く治せよ、とずいぶんやさしい声が聞こえて、
閉じたまぶたの裏に兄のほほえみを描いた。

03 暑さと一緒に捨ててしまえ/結芽
どろり。
溶け出した感情なんてもういらないわ。

04 それは限りなく優しいに近かった/沙夜
あの駄菓子屋さんには、変わらない魔法がかかってると思う。

05 背伸び草/滝
勢いよく蛇口ひねってんじゃねーよ

06世界一格好の悪い告白/かんな
その笑顔は俺がこれから言う言葉をきいても保たれるのだろうか。

07 行方知らずの恋心/みか
はい。
先輩追いかけて来ちゃいました。

08 夏の日、畑の真ん中で。/しら
「みーつっけた」
「あ、・・・そーくん。みつけてくれないと思ってた」

09 マイナスイオンの彼/春沢リマ
マイナスイオンの彼
彼の側は、いつだって涼しくて、心地よくて。

10 ウサギ/かほ
ポツポツと雨が降り出した。
それは次第に本降りになって、私たちを濡らしていく。

11 海と、君と、/琥白
どうか、君に溺れさせて

12 群青が溢れ出してしまうよ/紫歩
運命だなんて言葉で片付けたくないよ。
だって、榊先輩の努力の証でしょ。