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「給料は安いけど、みんないい人達ばかりだよ」

ギャングの、それも暗殺チームに言うような表現じゃないってわかってるけど、本当にいい人達だ。
オレはまだ現場に出してもらえてないけれど、アジトでのみんなは互いに信頼で繋がっている感じなんだ。
先日の『あんな事』があった時だって、二人のためにみんな本気で怒ってた。二人の誇りと尊厳のために。
そんな彼らが好きだし、仲間に入れてくれた彼らに報いたいと思う。

オレも頑張ろう。

そんな事を考えてるうちにアジトに着いた。
アジトはあまり治安の良くない住宅地区の奥にあって、外見は入りやすく出やすいどこにでもありそうなアパートだ。
あまり多くはない報酬でチームを運用するために借り上げアパートを改造して、一階は車庫と倉庫、二階が集会につかうリビング等の部分とリーダーの部屋、三・四階が他メンバーの部屋や空き部屋になっていて自由に使うことができる。

玄関前に立って鍵を開けたら、新人君はにこにこしていた顔を強ばらせた。
新しい職場が気になって不安なんだろうな、オレも最初は同じだったなあ。

「個性的な人達だけど、すぐに打ち解けられるさ。オレもそうだったし」

静かにドアを開けてリビングへ向かうと、皆が勢ぞろいしていた。

「早いなペッシ、気合い入ってんな」
「イルーゾォだって」

「俺とギアッチョは仕事帰りさ」

報告書を出したらもうぼちぼち帰るさと、ソファの上で伸びをした。

「みんな揃ってるんだ、めずらしい」

会議以外で集まってるのが久しぶりなので、いつもより狭く感じる。このチームは仕事が仕事なだけあってみんなガタイが良くてちょっと暑苦しく感じる。
そんな中に大きな荷物を抱えた新人君がにこやかに進み出た。

「やぁ、初めまして。チーム全員揃ってて丁度良かった!説明が一度で済むね!」

新人君が喋った途端、部屋に広がるのは沈黙と緊張感…

「お前は誰だ?」

リゾットがたずねた瞬間、みんなが戦闘体制に入った。

(えっ?うちのチームの新人じゃなかったの!?)

混乱するオレだけは何もできず、そばにいるイルーゾォの肩を掴んでおろおろするだけだった。

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