短編 | ナノ



11月公開予定のSF映画のネタバレ満載




「忘れるな、敵はゲートの下だ!」



当事隊長だったビーンのあの言葉を今も覚えている、そうゲートの外に敵はいる。単純な話だ。

そう単純な話『だった』。

全てが終わって、真実が見えたその時、誰よりも優秀だと思われていた二人の心に深く傷がついた。

何も知らなかったけれど何かをしてしまった私達は、全てが終わった今家に帰された。

「ニコライと私がいて貴方がいる、不思議ね。なぜバトルスクールで気づかなかったのかしら」

よくよく見てみれば私達の顔は良く似ている、いや似すぎているのだ。兄弟だとなぜ気づかなかったのか不思議だ。

「ビーンは僕らと違って優秀だったから」

8歳で入学し、誰よりも、もしかするとあのアンドルー・『エンダー』ウィッギンより秀でているビーン。私達だって優秀だからバトルスクールに入学を許可されたが、特例で入ってきた彼には敵わない。本当に同じ兄弟なのか不思議なくらい、彼は天才だった。

「ビーンもサードだから貴方もエンダーになるのよね、でも私、彼の姉みたいに優秀じゃないわ」

三人目の子供が存在してはならないこの世界で、ビーンはサードとしての条件を自身でクリアできているだろうが、私はクリアできている自信がない。
彼の姉になるには不出来すぎる。

「でもジュリアン・デルフィキ、貴方を愛する事はできるの。お帰りなさいビーン、私の可愛い小さな弟」

小さいは余計だと文句を言う彼が入学時より柔らかい笑顔を帰してくれる、それだけで私の心は幸せにみちあふれた。


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今年はエンダーのゲームが映画化されますね。シャドウ派な私が満足出来るか心配ですが動くビーンを見れるだけで幸せいっぱいです。