フリオニール×ゴルベーザ




「呆れたひとだなぁ」

フリオニールは呆れた、というよりも嬉しさでゴルベーザにそう言いながらポーションを渡した。
ゴルベーザは迷った様子だったが、やがて大人しく受け取り、甲冑の上からそれをかける。
跳ねる水音に、フリオニールの警戒心も、すっかり流されてしまった。
偶然同じエリアで鉢合わせて、いくらセシルの兄とはいえ、敵なのだから、と、フリオニールは用心深く距離をとった。ゴルベーザに戦意がないことは分かっていたが。
そこにイミテーションが数体現れて、戦闘になった。戦うつもりがないのならその間に消えてしまえばいいのに、ゴルベーザは苦戦するフリオニールを見かねたのかアシストに入ったのだった。
その上フリオニールを庇って怪我をしたらしく。

「敵を助けちゃ、皇帝やケフカにいじめられるんじゃないか?」

まさか大の大人がそんな目に遭うまいと思いながらも、性悪のカオスの面々を思い浮かべてフリオニールはそう言った。
仲間意識はなくとも、他人の負い目を利用するためならそんな言葉容易く使ってみせるやつらだろう。

「……面目ない」
「いや、謝るところじゃないだろう。うん、俺が悪かったんだ。ありがとう、ゴルベーザ」

色々と気まずい思いをしているらしいゴルベーザは、大きな体をなるべく小さくするようにしている。
貫禄たっぷりのいつもの姿と比べて、なんだか可愛らしいな、とフリオニールの頬は緩みっぱなしだった。




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