WOL×クジャ

「戦うキミの姿は美しいね」
 ふわふわと宙を浮かんでいたクジャがウォーリアの髪の毛へ手を伸ばし、指をブラシ代わりにして解かす。柔らかな髪の毛が心地よい。
「特に空へ向かって真っ直ぐ剣を突き上げる姿なんて惚れ惚れしてしまうよ」
 さらりと髪の毛を解かすクジャの手にちらりと視線を落とすウォーリア。上げられた視線が微笑むクジャを捉える。
「戦場に現れた場違いな踊り子、という感じだろうか。君の場合は」
 ウォーリアの表情は至極真面目だ。空中でふわふわと漂いつつ魔法を放つクジャの戦い方を彼なりに分析したのだろう。
 踊り子、と称されたことにクジャはくすくすと楽しげな笑い声を漏らす。
「フフフ。踊っているわけではないよ。あれは演奏しているのさ。戦場に舞い下りた指揮者、と言うのが正しいね」
「なるほどな。だが、なんにせよ変わっているな。君の戦い方は」
 こくりと納得を示す頷きをしてみせたウォーリアは、クジャの髪の毛に手を伸ばした。掌に掬った毛がサラサラと溢れ落ちる。また掬う。
「思わず目を奪われる」
 陶器のようなウォーリアの頬に薄く赤色が点もる。その温かい頬をクジャはそっと指先で撫でた。



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