セフィロス×WOL
title:冷たさが愛しくある
身体が震える。
「ん…っ」
咥内に侵入してきたその舌はどうしてか、冷たく濡れている。
その舌を濡らす唾液すら、冷たい。
「……ん、ぅ」
貪る様な接吻は終わらない。
手袋をしていない彼の手が、籠手をしていない自分の手を握り、指を絡ませ壁に縫い付ける。
その手もまた冷えていて、彼の手を更に白く見せる。
「は…」
漸く解放されれば空気を貪り、吐き出す。
眼をうっすらと開けば、
嗚呼。
「……セフィロス」
背筋が凍り付く様な美しい笑みがそこにあった。
「何だ?ウォーリアオブライト」
笑みを浮かべたまま、彼は訊ねる。
縦に割れた猫の様な瞳孔が動くのが判る程、顔が近い。
「……舌も、手も…冷たいな」
ウォーリアは彼の瞳の中で僅かに…本当に僅かに微笑んでいる自分を見る。
「ならば、お前から熱を貰うとしよう」
そしてまた、どちらからともなく、唇を重ねた。
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