WOL×ジェクト
不意打ちとは卑怯ナリ
堅物で歪みなくて、周りが恐れるほどに正義に忠実で眩しすぎるウォーリア・オブ・ライト。彼の生き方を、ジェクトは寂しくはないのかとお節介にもそう思う。
「寂しい?私が」
よく通る声はやはり淀みなど無く。ジェクトは要らぬことを言ったなあと内心ビクついた。どうにも彼だけは苦手で、何でも無いのに叱られている気分になる。
「や、やっぱ何でもねえわ…」
ぽそり、と聞こえるか聞こえないかの音量で言う。ぽりと頭を掻いてその場を後にしようと踵を返す。
ジェクトはウォーリアを嫌いな訳ではない。寧ろ好きで好きで、構ってもらいたいし構ってやりたいのだ。しかし、堅物で光しか見ていない彼にジェクトの気持ちは一ミリも届いてないようで。会いたければジェクトの方から出向かなければその機会すら得られないのだから、見込みなど毛頭無いことをジェクト自身薄々感じている。が、今回は違ったようで
「寂しそうに見えるのならば、一緒にいてくれないか」
驚いて振り向くと、真っ直ぐに自分を見つめるウォーリアと目が合った。その青く澄んだ瞳はジェクトただ一人を映して、一度ゆっくりと瞬いた後に柔らかく細められた。
「一緒に、いてくれないか」
す、と伸ばされた手を思わず取る。ジェクトは赤くなっていく顏を見られないように俯いた。
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