ジェクト×皇帝

約束を、した。
破られるための約束だ、破るためと言い換えてもいい。
双方守れないのなら約束と名付けるに相応しくない、けれど皇帝はあえてそうした。
具象化してみればより鮮明に刻み込まれる、コスモスに仕えたジェクトが自分の手でこちらに堕ちてきた事実が。

「記憶にすがるのか?過去などないかも知れんぞ」
「あいつがいんだろ、それだけだ、それしかねぇよ」
「ふっ」
「あ?」
「いやぁ…」

夢の終わりにて相対する、以前と同じ夢を見る。
ティーダの行く末を導いてくれと約束させた心配性なこの男を、愛した私の、儚い夢。



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