オニオンナイト×ジェクト

勝ち目が無い!

「ジェクトさんはずるいですよね」
そう言うオニオンナイトにジェクトはむず、とした。背を虫酸のようなものが走って、この気持ちはなんだろうと思う。
「ジェクトさんは体格も良くて、戦闘経験もそんなに無いのに才能があって…強くて、ずるいです」
寂しそうに呟くオニオンナイトを横目で見ながら、嗚呼と気付く。
「なあ、敬う気持ちってのは分かるし尊重してやりてえけどよお…そのお、さん付けと敬語やめねえか?」
むずむずして気持ち悪い、と体を震わせてみせた。オニオンナイトはきょとんとしていたが、何故か不機嫌な顔になってはあと一つ大きな溜息を吐く。
「じゃあ言うけどさあ、強くても子供っぽすぎない?と言うか、大人気ない。自分より年下の子と闘ってる気分になっちゃうんだよね」
また、はあと大きな溜息。ジェクトはうわあと顔を歪めた。
「おめえ、なんつーの?腹黒?最近のガキって怖えのな」
かつん、と赤く可愛らしい兜にデコピンを見舞う。兜が目元までずり下がって、オニオンナイトはうわと慌てた。ジェクトはぷっと吹き出す。
「そうやってるとよお、子供らしくて可愛いぜ」
兜を直してやり、微笑む。オニオンナイトの顔が赤くなった。
「ず、ずるいよ…」
「んー、強くてごめんなあー」
はははと笑いながらまた兜を軽く叩くジェクトに、オニオンナイトはまた溜息を吐いた。




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