フリオニール×ギルガメッシュ
2012/12/17 21:21


*ガーランド×ギルガメッシュの続き


ガーランドが消え去った後に残された黒い靄に「そんなぁ」と情けなく悲鳴を上げるがもう遅い。

「まったく、コスモスの戦士ってのは……」

一体なんなんだよ、と言いかけてギルガメッシュは思いっきりその場を飛びのいた。
居た場所を掠めたのは太い矢。
殺気の滲むその軌跡の発生点には、一人の青年が柱に寄り添うようにして、弓に矢をつがえていた。
鉱石を割ったような金茶の目が、野生の獣のもののようにこちらを睨みつけていた。

「お前、カオスの戦士か!」
「えぇ!?そうなのか!?」

呼びかけに対し、ギルガメッシュは質問を返してしまった。
コスモスの戦士に気をつけろとは言われたが、自分が何にされたのかは確認してなかった。

「何故ガーランドと戦っていた!」

握手もしたよ。と思ったが言わない。青年はものすごく気が立っている様子だった。
もしかしたら彼が、ガーランドの言っていたコスモスの戦士なのかもしれない。確かに危険そうだ。
だが、随分と多くの武器を身につけており、そのそれぞれは大事に扱われているようだった。どれも年季の入ったものだが、よく手入れがされている。武器好きに、悪いやつはいない。

「何故ってそれは、おれさまもあいつも、男だからだ!」

お前も分かるだろうという確信で、ギルガメッシュは自信満々に言い放った。
大きく見開かれる青年の目から、殺気が零れ落ちて、驚きだけが残っている。

「名も知らぬ青年よ!おぬしも中々の武器愛好家と見受ける!男が語るに武器を合わせる理屈、分かるだろう!」

青年は驚いた顔を実に生真面目なものに変えていって、大きく頷いた。

「分かる!」
「よし、ではその武器かけて、尋常にしょーぉーぶっ!」

ギルガメッシュがきりりとエクスカリバーを構えると、青年もまた数ある武器の中からすらりと剣を構えた。
これまた野性味に溢れ、粗雑ながらも先を感じさせる凛々しい構えだ。ギルガメッシュはまた楽しい戦闘の予感にニヤリとした。
が。

「その勝負、私も混ぜてもらおうか」

冷ややかな声に遮られた。




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