皇帝×ギルガメッシュ
2012/12/17 21:19
*フリオニール×ギルガメッシュの続き
冷ややかな声がしたと思うと、ギルガメッシュの隣の床に、青白い光で円が描かれ、一瞬眩く光った。
その後に現れたのは全身を金の衣や鎧で包んだ男だった。ギルガメッシュと比べれば随分華奢だが、底知れぬ威圧感がある。
「新たな駒の召還があったと聞いてな、なるほど、お前がそうか」
「つまり?」
「ギルガメッシュとやら、お前はカオスの戦士。そしてあの小僧は我らが敵、コスモスの戦士だ」
ギルガメッシュはようやく事態を飲み込んだ。
この金ぴかは自分の味方らしい。
けれども、男の一対一の勝負に口を挟まれるのは気に食わない。
「だけど金ぴかさんよ、一対一の勝負に首を突っ込むのは無粋じゃないか?」
「誰が金ぴかだ、皇帝陛下と呼べ」
ギルガメッシュの不満に、皇帝は、その丁寧に書かれた眉を、不愉快そうにぴくりとさせた。
「で、貴様、ガーランドから何も聞いていないのか?」
「拳で語った」
「ど阿呆どもめが」
つまりまだろくに説明受けてないよということである。
皇帝は持っていた豪華な杖を青年に突きつけ、傲然と言った。
「我らが目的はこの薄汚いコスモスの連中を駆逐すること。一対一の勝負など、下らぬことに拘るな」
「下らないってお前!」
ギルガメッシュが反論しようとしても、皇帝は鋭い目で、許さぬとばかりに睨みつけてくる。
青年も、一対二かと呟き、剣を片手に杖ももう片手に備える。
どうやら、本当にこの青年を二人がかりで倒さなければならないらしい。
緊張した空気だが、ギルガメッシュのやる気は殺がれていった。これがまだ逆の状態ならば血沸き肉躍るものを。
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