オニオンナイト×カイン

見上げた景色は大きな青の目と明るい髪の色でいっぱいだった。
少年の風貌がいたずらに細められる。
猫のようだとぼんやりと思っていると、オニオンナイトはぷくっと頬を膨らませた。
彼がごくまれに見せる子どもらしさをカインは気に入っていた。

「ねぇ、カイン」
「…なんだ」
「起きてるんなら反応してよね、おもしろくないなぁ」

俺におもしろさを求めるな。
渋い顔をしながらも起きあがろうとしたところで、ずしりと腰のあたりに重みを感じた。
首を傾げると、オニオンナイトがそこに馬乗りになっている。
彼自身の体重はそこまで重くはないが、鎧の分も加算されているのだから決して軽いものではない。

「…どいてくれないか」
「やーだよ」

へへんと笑う彼は生意気でしかない。
しかし、いつも気丈にふるまう少年のそんな姿は大人の視点では微笑ましくもあった。

「いや、物理的な意味で重いんだが」
「だって体重かけてるからね」

鎧もあえて外さなかったし。
得意げに語る彼にどうしてそんなことをするんだと呆れ混じりに問いかければ、目の前の白い頬がほんのりと赤く染まった。

「こうでもしないと、カインはすぐ逃げちゃうでしょ」

だから、僕自身が重りになんないとね。




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