フリオニール×ラグナ

「もし向こうに…彼岸に帰れたら、まず何する?」

顔が見られないよう背を向けて喋りかける。
暗闇でラグナが動くのが分かった。
みじろいだと言った方が正しいかも知れない。
歯痒い。

「俺はこの世界があったことを、確かめにいく、忘れるなんて嫌だ…ラグナはどうする?」
「逢いにいくさ」

背中に声が響く。
そのくすぐったさが心地よくて寝返りをうった。
手を頭の下にさし込んで、言う。
その姿があまりにも、
あまりにも
いつも通りすぎて、これで良いんだよと。
それで良いんだよと、言ってくれているようで。
(悲観的にもなりたくないんだ)
逢いにいくよ。
忘れても、世界が違ったって逢いにいく。




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