ガーランド×クラウド
夜明けが近い。
昼夜問わず活動するイミテーション共の気配がより活発になった。
秩序の戦士の行動に合わせて起こる現象。
ガーランドが誰でもないものになりたいと願っていた。
そこにクラウドが居合わせたのはほんの戯れ。
咎められないなら寄り添うのもよろしい……誰でもない声が誘惑する。
透き通った真白い肌に触れ、老成して凝り固まった頑なは溶けていった。
小さな身体、到底恵まれていると言えぬ、大振りの剣を振り回せると思えぬ。
けれど闘うと決意が燃えている。
それはかつての私ではなかったか。
「ゆくか」
「ああ」
「わしを貫くか」
「それも良い」
夜明けがそこまで迫っている。
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