コスモス×ガーランド
終焉
優しさの代わりに癒しを。
慈しみの代わりに微笑みを。
偽りとしても、慰めの為としても。
無意識の自己欺瞞は無限に甘く、朽ちた身体を緩やかに包み込む。
永遠の幻想に抱かれた思想は与えられるのみを受け入れ、他者は全て拒絶した。
獣じみた姿を厭わしいと、穢らわしいと、そんな概念を持ち合わせていない女神は果て無い慈悲に満ちた手のひらで頬に触れる。
偽りとしても。
自分自身の保身の為、何度でも何度でも、言い訳の言葉を唱えた。
実体を捕えたとして、繋ぎ止めておくなど不可能だろう。
自由を望まぬ彼の心は、いつだって誰よりも自由だったから。
そうして再び解放された、彼の魂が終焉を迎えた。
癒しも、微笑みも、届く事は無かった。
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