WOL×ガブラス

「この森の向こう」

彼の声は低く、彼が何を考えているかなど私には推し量れなかった。
ただ森へ向かう、彼の足跡を見る。
泥にまみれた。
雨脚は次第に弱くなり静寂が私達を包む。
鳥も鳴かない。

「何があるんだ」
「お前を憎しみに取り巻かせない花が植えられてある」

彼はそう笑い前を向いた。
私は彼の手をとった。
彼は握り返した。
私達は沈黙を愛した。



prev | next


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -