ユウナ×オニオンナイト
小さな背中は真剣で、小さな手は器用に動く。
オニオンは自分の武器を手入れしている様子だった。
彼の周りには何種類かの砥石や布、油や砂、水の入った瓶が置いてある。
ユウナは慎重に近付いた。邪魔をしないように、でも何をしているのかきっちり見てみたくて。
オニオンは、真面目な横顔で、自分の細い剣を睨みつけている。
じいっと刃を見て、表面の細かな傷に指で触れ、毀れた部分に気付いたらしく、息を止めたような様子でそれを見た。
広げたマントの上にそれを下ろすと、溜息。
これじゃあちょっと本当に修理しないといけないな、という呟きは、本当にひとり言だ。ユウナには気付いていないらしい。
それからオニオンはナイフに手を伸ばす。彼の手には大きいような鋼にも、同じような真剣な目を向ける。
少しその口元が緩んだ理由はなんだろうとユウナは思った。
くすんだ色に、使い込んだ証を見て、誇らしくなったのだろうか。
他にはどんな理由があるのだろうか。少し大人っぽい、笑い方。
無性にそれが羨ましくて、同時に焦がれるような憧れを感じて、ユウナはオニオンから離れた。
おとこのこって、いいなぁ。
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