フリオニール×スコール
2012/12/10 22:46
題「お約束ですが」
追い詰められた薔薇色のイミテーションが、苦し紛れに水の塊を放つ。垂直に飛び上がった獅子は手にした銃剣の力でそのたまゆらめがけて一直線に突っ込む。水を裂いた剣がイミテーションを貫き、たまゆらの雷光は砕け散った。一瞬遅れて水がスコールめがけて降り注ぐ。
「悪いっ そっちに一体行っ…た………」
水色のマントをはためかせて義士が駆け寄ってきた。と思うと急に立ち止まり、一瞬で顔を真っ赤に染める。不審に思ったスコールが声をかけようとするとフリオニールはその場でばったり倒れ込む。ご丁寧に鼻血まで出している。
「わりーな遅れ…ってフリオニール?何してんだ?」
金色の尻尾を揺らして駆けてきたジタンは首を捻ったが、びしょ濡れのスコールを見てだいたいの事情を察したらしく、ふいときな、と言って首のスカーフを放って寄越した。
その後しばらくフリオニールはスコールに近寄らなかったらしい。
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