フリオニール×ティナ
2012/11/07 22:31
「たぶん打撲だろうな」
戦闘で着地に失敗したのを放っておいたら痛み出した足首を引きずっていると、フリオニールがすっとんできて始まった応急処置。
くるくるあっちへ向かせたりこっちへひねってみたり。ここは?こうすると痛むか?なんて問答を何回か繰り返した結果、彼の診断は上のようになった。
骨折はしてないと思うから、ちゃんと固定して冷やしてうんぬんかんぬん…
ひととおりの注意を終えてこちらの視線にようやく気づいたフリオニールの戸惑いを含んだ目に、何でもないとかぶりを振った後、続けて言う。
「ただ、怪我したら、フリオニールが触れてくれるって分かったから」
瞬間、ぼっと噴火する彼の顔。
「そ、そんなことしなくても触るから!だからわざと怪我なんかしないでくれよ、頼む」
触るとか何言ってんだ俺変態かうわあああああとまたいつものように取り乱しはじめたフリオニールに、くすりと笑みがこぼれる。
「その…触れても、いいのか?」
「いつでもどうぞ?」
おそるおそる、だけど力強く抱きしめられて。それは不器用で誠実な、優しすぎる彼の愛。
重ねられた肌からたくさんの好きがあふれ出す。
この気持ちがほんの一部でも伝わってくれますようにと、ティナはフリオニールの背に腕をまわした。
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