暗闇の雲×シャントット
2012/10/21 20:51


シャントットの青筋立った頭に顎を乗せてご機嫌なのは暗闇の雲。
先ほどからいくら打ち払っても彼女は霧散しては再結合し、元の姿でまたシャントットに絡んでくるのだ。

「いい加減離れなさいな!」
「いやじゃー」

言いながらごりごり頬擦りする暗闇の雲に合わせて、その触手たちもケラケラと笑う。
ぴし。
いよいよ本格的に切れ目の入る、シャントットの堪忍袋の緒。
暗闇の雲はますます嬉しそうにシャントットを抱き締めた。

「いい加減ブチ切れますわよ」
「おうとも、わしはそれを待っている」

暗闇の雲はうっとりとした口調でそう言い、手を離した。と、思ったら今度はその両手でシャントットの手を包んだ。
冷たいとも言い難い感触のそれをシャントットは静かに睨む。

「お前の力を喰らうというのは楽しかろう。世界の理屈を一つ、わしの胎内に還すのだ」

シャントットは呆れた、としながらも闘志を膨らませていく。
そんなに言うのなら世界の欠片ごとくれてやろうと、雲の蒸気すら遺さぬ力を生み出そうとする。




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