フリオニール×ジタン
一本気で、ちょっとばかり頑固で。
それでいて降参したくなるほどに世話焼き。
「……まったく、無茶をするなと前も言ったはずだぞ?」
止血をして、ケアルをかけて、困ったように息をつく彼を見ていると、改めて実感する。
押し売りのお節介よりも、これほど困ったものはないんだろうなぁなんて。
あまりに手際が良すぎるものだから、つい似たような苦笑を浮かべてしまった。
「悪いって思ってるけど、性分だしなぁ。」
たとえば向こうが世話を焼いてくるならば、こちらといえばお節介を焼いて歩く。
そうしてばったり出会ってしまえば、しまった、焼かれるのはこちらの方でしかない。
なんとも困ったもんだ、と頭でもかいた。
「これはしようがないだろ?」
「確かにしようがないが、それだけじゃないだろう。」
それに、と世話焼き。
「こっちだって性分だ。俺もこればかりは曲げてやれないな。」
結局は、どちらも勝手なことになるんだろう。
世話を焼いたり、お節介を焼いたり。
性分なんてそんなものだ。結局は。
お互い曲げることをしなければどちらが焼いてやる方になるか、なんて。
「あぁはいはい、まいったまいった!」
たとえばもなく、向こうに決まっている。
困ったくらいの世話焼きに。
「まいったなら、もう少し俺を頼ってくれよ?」
まったくどうして、ああ困ったもんだ。
苦笑して、同じく苦笑する向こうだって、きっと同じように困ったもんだなと頭でもかいたところだろう。
それならばいっそ、同じようにこちらだって勝手にやってやろう。どこまでも自由にやってやろう。
そうして、こっそり笑った。
気の向くまま、性分の曲がらないまま、またばったり出会って勝手にされたとしても、また懲りずに勝手にやっていこうか。
prev | next