オニオンナイト×バッツ

頼れる存在

「オニオン無理するなよ、お前まだ小さいんだからな」
「良いから俺に任せとけって
こういう時は子供らしく、素直に甘えとけよ」
「もうヘバッちまったのか?
まぁ子供だし、しょうがないか」





「あーもう!!いい加減にしてよね!!」

バンッと派手に机の上を叩き、オニオンナイトは向かい側に座るバッツに対し大きな声を出した。

「ん?何だよ急に」

キョトンとした様子で、バッツは菓子を摘みつつオニオンナイトを見つめた。

「何だよ?じゃないよ!!
いつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつ……」

この辺りで酸素が足りなくなったらしく、オニオンナイトはゼーヒーと息を整える。

「おいおい、大丈夫かよ」

バッツは席を立ち、オニオンナイトの横へ移動し背中をさする。
だがその行動が癪に触ったらしく、オニオンナイトは表情を険しくしバッツの手を払った。

「だーかーら!!
そういうのをやめてって言ってるんだよ!!
いつもいつも子供扱い!!
僕だって皆と戦っている一人の戦士なんだ、同等に接してよね!!」
「……え〜っと……」

椅子から勢い良く飛び降りグルル……と唸り声が聞こえそうな剣幕で威嚇するオニオンナイトに、バッツは複雑そうな顔つきで頬を掻き呟く。

「オニオン……俺、思うんだけどさ……」
「何!?」
「そうやって俺の行動一つ一つに反応してたら、あーやっぱり子供なんだなーって思われても仕方ない気がする……」

バッツの的確なツッコミに、オニオンナイトはグッ……と息を呑み黙り込んだ。

「それに俺、別にオニオンだからこんな風にしている訳じゃないぜ?
ジタンにもスコールにも、WOLにだって同じ様にやってるさ
それはオニオンも知ってるだろ?」
「……まぁね……」

再び席に着き菓子を食べ始めるバッツに、不承不承といった様子でオニオンナイトは頷いた。

「でも、やっぱり言われたくはないな……」
「何でまた、そんなにムキになるんだよ」

バッツに尋ねられ、一瞬オニオンナイトは言葉を飲んだ。
だがジッと見つめられ、オニオンナイトは目を反らしながらボソボソと小言で語りだした。

「だって……やっぱり男ならさ、好きな人には……頼られたいじゃんか……」

オニオンナイトの答えに、バッツはあーと呑気な声を出しうんうんと頷いた。

「なるほどなぁ……確かに、ティナの前では格好良い姿見せたいもんな」
「違うよ、ティナじゃない」
「へ?」

オニオンナイトの思わぬ言葉に、バッツは目をパチクリとさせた。

「確かに、ティナにも頼りにはされたいよ
でも彼女は好きだからとかじゃなくて、戦士として守りたいからなんだ」
「そうなのか?
じゃあ、オニオンの頼られたい好きな人って誰なんだ?」
「それは…その……それぐらい察してよ、もう!!」

そう言うとオニオンナイトは目の前にあるお茶を勢い良く飲み干し、ガシャンッと大きな音を立てソーサーの上にカップを戻した。

「ごちそうさまでした!!
僕、もう行くからね!!」

そしてオニオンナイトはバッツの返事も待たずに、ズンズンと歩いて行ってしまった。

「……何怒ってんだろ?」

バッツは首を傾げ考えてるが答えが出ず、まぁ別に良いかとまた菓子を食べ始めた。
だがクッキーに食らいついてすぐにオニオンナイトが戻って来て、バッツはキョトンとした顔つきになった。

「どうしたんだ、オニオン?」
「言い忘れてた事があってね」
「言い忘れ?何だよ」

バッツが尋ねると、オニオンナイトはビシッと彼を指差して言った。

「いい?僕は今成長期なんだから、すぐにバッツより体力も身長も抜かして頼られる存在になるよ
だからそれをすぐに確かめられる様に、僕を見ていて!!
ちゃんと側にいて、僕の事を頼りにしてよね!!」

そこまで言うと、オニオンナイトは少し顔を赤らめながらまるで睨みつける様に呆気に取られているバッツを見つめた。

「……あー……えーっと……うん、わかった」
(絶対わかってないよね、これ)

何が何だかわからず、だがとりあえず頷いておこうといった雰囲気のバッツに、オニオンナイトは隠す事無くため息をついた。



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