暗闇の雲×バッツ
飽く事無き遊戯
目無しが動けば、その動きに合わせ視線を動かし。
目有りが威嚇すれば、おぉっと小さく声を上げて。
黄色の触手達が何かしら行動する度、目の前の子供は反応を示している。
「……よくもまぁ、飽きもせずにいられぬの」
「だって、面白いから」
暗闇の雲がそう独り言の様に呟けば、バッツは即答し触手達を見続ける。
「面白いとは言うが、こ奴らは同じ事しか繰り返しておらぬぞ」
「そんな事ないさ
ちょっとずつ違う事やってるぜ」
そう言ってバッツは目有りに向かって手を伸ばし、ツンツンと軽くつつく。
その途端シャギャーッと鳴かれ、バッツはヤバいヤバいと手を引っ込めた。
「……お主も懲りぬのぅ」
「え、俺さっきもこいつつついたっけ?」
「うむ……反対側のものをだがな」
「あちゃー……じゃ、次はこれだ!!」
バッツはグイッと目無しの羽を掴み、左右に引っ張り始めた。
シャギーッ!!と鳴かれても気にする様子もなくグイグイと引っ張り遊び続ける彼に、暗闇の雲は内心溜め息をついた。
(……それは五回目じゃ)
そう思いながら暗闇の雲もまた飽きもせず、触手達と楽しそうに戯れるバッツを見続けるのだった。
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