ティーダ×オニオンナイト




「ずるいよ、ティーダ」

オニオンは自分の胸に顔を埋めたままのティーダのプリン頭を撫でる。
呆れよりも既に勝ってしまった愛情でもって、かわいいかわいいと撫でてしまう。

「だってぇえええ」

くぐもった涙声が、オニオンの心臓の上でびりびりと響く。
悔しかったんだぁ、とはまだ言葉にされていないが、もうよく分かっている。直接胸に流れてくる。

「僕だって叱ってやるつもりだったのにさー」
「うわぁああ、オニオンまでそうしたらオレどうしたらいいんスか」
「だからこうやってしてるんでしょうが」

ぎゅっと、強く頭を抱いてやるとますますこの十七歳は腕に力を込めてくる。

「オニオン好き、ちょー好き」
「はいはい」

ティーダの本日の挙動。
朝早くに何やらフリオニールと言い争ってホームに帰還。
後にそれをたしなめようとしたスコールと喧嘩。
多分戦闘に対する緊張感だとか実力を弁えろだとかそんな話。
その後セシルと共に戦場に行き、無茶をしてセシルに怒られジタンに怒られ、再びスコールに呆れられる。

「オレもっと強かったら怒られなくて済むかな」
「いや、ダメだと思うよ」
「戦士って難しいんスね」
「うんティーダはアホだから気をつけたほうがいいよ」
「うす」

このお兄さんはどうやらしばらくこのつもりでいるらしい。
オニオンはなんだか、守ってあげなきゃなぁと、苦笑の心地で思うのだ。




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