ゴルベーザ×セフィロス
2012/12/08 00:00
花壇の草むしりに熱中していたゴルベーザは、熱心な視線にやっと気付いて振り返った。
そこにいたのは、花壇に使われているブロックに腰掛け、畳んだ長い足に画板を置いたセフィロスだった。
美術の授業中らしい。花の写生でもしているのだろう。
ゴルベーザはすまんな、と微笑んだ。真面目に筆を動かしている彼の姿は微笑ましかった。
「邪魔であろう?退こうか」
「いや、むしろ動くな」
凄みのある目で言われ、ゴルベーザは面食らった。
しかしまあ確かに、この大きな体が動いては、花を揺らしてしまう。描きにくくなってしまうのかと納得し、ゴルベーザは頷いた。
そして、先程よりも少し慎重な動きで作業を再開する。
彼は、セフィロスの画板の上に、彼の穏やかな背中が花に埋もれるようにして描かれていることを知らない。
prev | next