フリオニール×カオス
2012/09/17 16:51


フリオニールは身震いした。
カオスから放たれる闘志には、猛々しさこそあれど、漠然と描いてきた憎しみの気持ちが無い。
こんなのは違う。
迫りくる巨体を避けながら、必死でナイフを、斧を投げるが、それが彼の悲しみに届くか分からない。

「お前はっ、何故!」

俺たちと戦うんだ。そんなにも、悲しそうに。
その問いは灼熱の炎に焼かれて消えた。
望まぬのなら、どうして、どうして。
夢が費えるとは皮肉でなく、嘆きか。奪われた彼の望みの残骸か。
慰めが死ならば、せめて自分の希望を見せねばと、フリオニールは赤く輝く武器を握る。




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