フリオニール×ライトニング
2012/09/16 22:52



「今日は私が見張ろう。お前は休め」
「いや、俺が見張るからライトが先に…」
「…昨日もお前が見張りだっただろう」
「しかし…」

こんなやりとりは、何度目だろうか。
こうしてうだうだ続けている間だって、貴重な休憩時間だというのに。
たき火に枯れ枝を投げ入れたフリオニールは、主張を譲る気はないらしい。

「俺は大丈夫だから、ラ…」
「いいからさっさと休め」

わざと強めた口調に、フリオニールの肩が揺れる。
追撃は、普段よりも少しだけ鋭い視線。
怖がらせるつもりは微塵もないが、頑固な年下にはこれが効く事をライトニングは心得ている。

「だが………」

それでも尚食い下がろうとするフリオニールに、ライトニングは呆れの吐息を漏らした。

「強情だな」
「ライトだって」
「………かわいくないぞ、フリオニール」
「俺は男なんだから、かわいくなんてなくていいんだ」
「………」
「………」

いつまで続きそうな不毛なやり取りに、ライトニングは空を見上げる。
宵の空が白むのと、どちらかが折れるのと、どっちが早いだろうか。
たき火を挟んだ向かいでまだぶつぶつと呟くフリオニールに視線を下げ、ライトニングは長い長い息を吐き出した。




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