セシル×オニオンナイト
うっとりと見つめられてしまっては、逃げるに逃げられない。
気まずくならないように断る理由を自慢の頭脳で計算するが、一足遅かった。
セシルの色の割にはしっかりした腕が伸びて、オニオンを抱き上げてしまう。そして彼は膝に乗せて、抱きしめる。
「ごめんねオニオン!」
「もー!そんな嬉しそうに言われても謝られてる気がしないよ!」
セシルはオニオンの肩に顎を乗せて、大変くつろいでらっしゃる。
幼児にするような真似をされて、オニオンはご立腹なのだが、まあ、セシルは、仕方ない。
「人肌恋しくて」
いけしゃあしゃあとそんなことをおっしゃるパラディンは、どうやら昨日、オニオンがそんな理由で眠れなかったことを知っていたらしい。
オニオンの赤く濡れた目を見ないよう後ろ側、オニオンが寂しくないよう抱きしめて、温めてくれるお兄さん。
敵わないのはもう、仕方ない。
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