いろのせかい
拓也くんと純平さんにヴリトラモン、ブリッツモンになってもらって、空を飛ぶ。そして、わたしたちは再び城の前へ降り立つ。[1/4] 色の闘士シキモン参上! 目覚めよセラフィモン、十闘士の秘密! 「よし。行くぞ」 拓也くんの言葉に、わたしたち全員が頷いた。 城の扉が、拓也君のデジヴァイスで開く。そこから出てきたのは、白い魔法使いみたいなデジモンだった。 「何者だ――ケルビモンの手下ではないのか?」 最初わたしたちにステッキを突きつけたけども、拓也君がデジヴァイスの声について説明しだすと、すぐに中へと案内してくれた。彼の名はソーサリモンさん、っていうんだって。 ソーサリモンさんに導かれるままやってきたところは、大きな広間みたいなところ。このお城はどこもかしこもキラキラとオーロラのように輝いている、けれども、このお部屋はもっとキラキラしてて、神々しさがあった。 たかいたかい天井に、棺があるのに気づいたのはすぐだった。棺はガラス製みたいで、中に誰かが入っているのが見えた。翼の生えてるひと……。 「……あれ、誰?」 「セラフィモン様です」 セラフィモン様、と言われても、わたしたちには何者かなんて分からない。ソーサリモンさんの解説によると、セラフィモン様は、むかしこの世界の正義と秩序を守っていた天使だったんだって。 でも、ケルビモンの魔力のせいで、ずっと長い間眠り続けているらしい。 『あなた方のデジヴァイスの光を集めるのです――』 デジヴァイスから、突然にあの女の人の声がした。 「その声は……! オファニモン様!?」 ソーサリモンさんは急にハッとし、叫ぶ。この声の主はオファニモン、ってデジモンさん――!? 拓也くんが叫んでも、女の人の返事はなかった。 セラフィム、オファニム、そしてケルビム。地球でも聞いたことのある天使の名前だった。 「……ねぇ、デジヴァイスの光を集めろって言われたわよね? あっ、」 デジヴァイスから、光がのびる。それをガラスの棺に集めると、光は虹色に輝きだした。――棺が消えていき、セラフィモン様が舞い降りてきた。 不思議な鎧を身にまとっていて、背中には金色の十枚の翼がある。 セラフィモン様を見て、ソーサリモンさんはひざまずく。 「ソーサリモン……私は……」 「オファニモン様がお救いになったのです。そして、お目覚めになるまで結界を貼りお守りしていたのです」 「そうか……オファニモンはどこに?」 「分かりません。しかし、この方たちをお遣わしになられたようです」 そうして、ソーサリモンさんはわたしたちを指した。まあわたしスピリットも持ってないからいちばん何の役にも立ってないけどね! セラフィモン様はこちらを見ても、「人間の子供……?」と言って疑問を抱いていたようだった。 「ただの人間の子供じゃない、彼らは闘士のスピリットを持っとるんじゃ!」 わたし以外の子は、だね。なんとなく気まずい。 でも、わたしたちは何でここに呼ばれたんだろう。皆も、それを問うていた。 ――ほんとに、どうしてわたしなんかが呼ばれてしまったんだろう。ただの勇気がない子供なのに。 「……分かりました。皆さんにお話しします」 そして、セラフィモン様が語り始める。 NOVEL TOP |