にげちゃだめだ
[4/4] 「あ、アグニモン!」 木の上で戦っていたはずのアグニモンが、地上まで落下する。 一瞬、親方、空からアグニモンが! とか言いそうになって自分でも嫌だなーって思った。 アグニモンは衝撃で進化が解かれ、拓也君に戻る。 「友樹を助けなくちゃ……でもどうしたらいいんだ?」 「獣型で戦うんだ、人型では不利だ!」 「でも、まだ制御できる自信が……」 「さっき友樹にもらった勇気、忘れたのか!?」 すると拓也君は、ハッとした表情になる。わたしは、さっきの友樹君の言葉を思い出す。友樹君は逃げないでヴリトラモンを説得した。――みんな、すごいな。 輝二さんの言葉で意を決したのか、拓也君は走っていった。 しばらくすると、友樹君が戻ってきて、わたしたちを救出してくれる。なんかもう、今日の友樹君すごすぎる。 友樹君にお礼を言って、わたしたちはヴリトラモンの場所へ向かうことになった。 「友樹君すごいね……わたし、逃げてばっかだから」 「……想さん。そんなこと、ないよ! 拓也お兄ちゃんのお陰だよ!」 そんなことない。きっかけを作ったのは拓也君、だけどちゃんと気づいたのは友樹君だもん。 「友樹君、ヒーローみたい!」 「ホント!?」 「うんっ」 わたしなんかが一緒に行動をともにするのが申し訳なくなるくらいだよ。みんな、本当にすごい。 ヴリトラモンは、ギガスモンを倒したみたいだった。よかった、ちゃんと制御しきれたんだね。わたしたちが来たときには既に、ギガスモンにコードが浮かび上がっていた。 ギガスモンのスピリットも取り上げて、更にチャックモンのスピリットも取り返すことができた。 「やった、チャックモンのスピリット!!」 友樹君は、嬉しそうだった。 ヴリトラモンが更にフェアリモン、グロットモンのスピリットを取ろうとしたとき――グロットモンは眼を覚ましてしまう。 そして、グロットモンは土の中にもぐり、逃げ帰ってしまった。 「気になったんだけど、フェアリモンのスピリットてグロットモン使えるのかな……?」 グロットモンの容姿で、フェアリモンのコスプレをしたグロットモンが頭をよぎる。すると、泉ちゃんに殴られ、純平さんに叱られた。このふたりこわい。 * 私は色の闘士である。私には目的がある。 だからその為に、私はケルビモンの城にいるのだ。城には、丁度闇を除く闘士全員がそこにいた。 「色の闘士、ハクジャモンまで来やがったか!」 「あんたいちいち説明してるのね。――皆お揃いみたいね」 私はそこに顔を出すだけにし、ひとりで歩き出す。水の闘士が悪態を付く声が聞こえた。途中、三つの月を見上げる闇の闘士を見掛けた。 彼は、今は完全なる悪の存在ではある――だがしかし、元は人間だ。彼もそう遠くない未来、光を見つけるだろう。 私は最後まで戦い続ける。誰が何と言おうと、私の信じた道の為に。失われた時の為に。 110802 テイマ書こうと思ってたのに気付けばフロが先に出来ていたというミステリー NOVEL TOP |