テレビジョンのあおいつき
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 火がぱちぱちと灯っている。わたしは少し離れたところで手をかざし、手を温まらせようとしていた。


「ボコモン、ビーストスピリットって何だ?」
「知らんはら!」
「例のガイドブックで調べてくれよ!」


 グロットモンと、ギガスモン。どうしてあれは二つの進化をすることができたのか。たまたま、土の闘士だけがそれが可能だったのか。


「びーすとびーすと、――そんなもん、書いてないまきー!」


 どういうこっちゃ。ボコモンの横で、ネーモンはボコモンの本をいじる。……ああ、また怒られるよ。


「勝手に触るなはら!」
「だって、このページ……」


 ネーモンが指したページは袋とじみたいになっていて、ボコモンはそのページを開いた。


「! 分かったぞい! 闘士には二つのスピリットがあるんじゃい!」
「えぇ!?」


 ええええ。
 ボコモンの話によると、スピリットは人型スピリットと獣型スピリットの二種。ビーストスピリットとは、獣型スピリットのことだった。獣、ビースト。英語にしただけだね。


「と、いうことはグロットモンは?」
「まだ分からんのかい! グロットモンは人型、ギガスモンは獣型のスピリットじゃい!」
「つまり、俺たちは人型のスピリットを得ただけのか」
「あたしたち、まだ半人前ってわけ?」


 せっかく、皆一生懸命闘ってたのに。
 にしても、皆がビーストスピリット手に入れたらわたしますますいらない子じゃないか――。なんで現実世界でも、異世界でもわたしは何もできない。


「それなら、獣型のスピリットを持てば勝てるかも!」
「それだ! 獣型スピリットを探して手にいれよーぜ!」
「うん!」


 皆が盛り上がってるなか、わたしは目の前のニクリンゴを眺めていた。焦げそうなんだけど……いいのか。ネーモンも同じようにニクリンゴを眺めて心配していた。


「いいの、かなぁ……」
「いいのかなー」
「なんじゃい二人とも! こうなったら、どうなったとしても獣型スピリットを手にしてもらうんじゃい! そして虫食い状態になった世界を元通りにしてもらうんじゃい!」
「違う違う。そうじゃなくって、」
「アレ、焼きすぎて焦げちゃうけど」


「わーっ!」


 皆が慌ててニクリンゴを取った。そういうのはもっと早く言えと拓也君に叱られた。
 その後も皆はニクリンゴを頬張っていたけれど、わたしはさっき食べたナマの状態のニクリンゴがトラウマで、泉ちゃんの食べていたのを少しもらっただけにした。


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