テレビジョンのあおいつき
ヘビデジモンさんに導かれて拓也君たちに遭遇したこの地は、森の国だった。森のターミナルへも、だいぶ近付いてきているようだった。[1/5] 敵はチャックモン!? 謎のテレビの森 突然合流したわたしはともかく、他の皆はずっと歩き続けていた為、だいぶ疲れていたから、今日はこの辺りで野宿をしよう、ということになり、ご飯と薪を探すことになった。 「じゃーん! これ、食べられる?」 泉ちゃんが発見したのは、青リンゴのようなもの。 「おっ、それはニクリンゴじゃい! 焼いて食べると肉汁が出る、栄養満点の実じゃい!」 「どうしたんだ、それ」 「さっき拾ったの。ボコモン、一緒に探して!」 「了解じゃい!」 泉ちゃん、友樹君、ボコモンとネーモンが食材を。拓也君、輝二さん、純平さんが薪ひろい。珍しく純平さんは泉ちゃんのほうに行かなかったなあ。 わたしはどちらに行こうか悩んだけど、拓也に「人数少ないからこっち来いよ」と言われて薪ひろいに参加することにした。 「そういえば、想ちゃんが会ったデジモンってどんなヤツだったんだ?」 純平さんに尋ねられる。 さっき、拓也君たちに出会ったときに迷子になってデジモンに助けてもらった――という大体の流れを説明したものの、細かい部分は語ってはいなかったし、わたしは拓也くんたち、泉ちゃんたちの別行動を取っていたときの詳しい話をまだ聞いてはいなかった。 「なんか、ヘビとかラミア? みたいな、女の人っぽいデジモン。あと、腕輪に漢字の色って文字に似たのがあっ……、って、あああっ!」 そこまで言って、あのヘビデジモンに会う前にデジヴァイスが光を放ったことを思い出した。画面に映し出されていたのは、ヘビデジモンの腕輪と同じマークだった。 何故今までこのことに気付かなかったんだろうか、手にしていた薪が滑り落ちそうになり、わたしは慌てて両手でそれをキープした。 「そいつ、色の闘士だったんじゃないか?」 それまで合流してから一度もわたしと口を聞かなかった輝二さんが、ぼそりと呟いた。 そう、色の闘士。どう考えても、デジモンの正体についてはそう考察するのが妥当だった。 「ふーん。まあ、想を助けたんだから、敵じゃないんだろうな」 「じゃあ、なんでおれたちのところに合流しないんだ?」 「待て、そいつも味方のフリをしているだけで敵かもしれんぞ」 すると皆は好き勝手言いはじめた。うわ、めんどくさいなあ。 薪も食材も揃ったので、リンゴを枝に刺し焼く作業を開始。 純平さんとわたしとネーモンが、作業を行いながらナマのままのリンゴを頬張った。味は、なんとも言えなかった。思わず顔をしかめる。妙な苦い味が口の中に広がった。 「ま、マズい!」 「う、うぇ」 「ナマじゃ食えんわい」 「はやくいってほしーなぁ……」 肉より野菜や果物が好きだから食べただけなのに……。 NOVEL TOP ×
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