遍在しつづける眼で
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 レーベモンの身体から、闇の熱線が放たれた。その力は強く、熱線を繰り返すたびケルビモンはがんがん押されていく。


「いいぞ、レーベモン!」
「止めだ……!」
「ライトニング・スピアー!」


 ケルビモンが空から発生させた稲妻の槍を構えて、レーベモンを刺そうとした。すると、レーベモンはスライド進化した。


「カイザーレオモン!」


 ガルムモンに似た獣の闘士だった。カイザーレオモンは、ケルビモンの槍を橋として、ケルビモンの顔に突進していった。


「シュヴァルツ・ドンナー!」
「ウガアアアッ!」


 ケルビモンはどんどんやられていき、そして最後にカイザーレオモンはまた必殺技を放った。


「シュヴァルツ・ケーニッヒ!!」
「ウワアアッ」


 ついにその攻撃で、ケルビモンは消滅していった。真の闇の闘士と、輝一くんはとても強い力を持っている。
 ようやく、ケルビモンを倒せた。けれど、ケルビモンにデジコードが浮かび上がることはなかった。どうして、なんだ。
 輝一くんは進化を解いて、消えてしまったケルビモンのほうを見た。


「俺たちが戦っていたのは、ケルビモン本体ではなく、分身みたいなものだったんだ……」
「分身であれだけ強いとなると、一体本体は――」

『真の闇のスピリットに目覚めても、まだまだだ。……バラの明星の下で待っているぞ』


 辺りに、ケルビモンの声が聞こえた。――はやくバラの明星に行かなくちゃ。
 輝一くんが、一人先を歩き出した。どうして――と思っていると、輝二くんが、その背中を呼び止めた。


「俺一人で行く。君たちは、帰れ」
「お前だけを行かせられるか!」
「……あいつを倒せるのは、真の闇の力だけだ」
「そうじゃないだろ。闇は、光があってこそ闇」
「悪いけど、俺も行くぜ。オファニモンを助けなきゃいけないんだ」

 それから、拓也くんが近づいて言った。

「ボクも行くよ! ゲームクリア寸前まできたのに、やめるなんてできないよ!」
「お前らも行くなら、おれが年長者としてついていかないといけないなー?」
「あたしも行くわ。紅一点がいないと、華がないでしょ?」

 みんな、それぞれついていく意志を示した。けれど泉ちゃんの一言にはつっこみたかった。

「あ、あの。泉ちゃん、わたしも女の子だよ?」
「うーん、想はマスコットって感じね」

 わたしは華にはなれませんか、泉さん!

「えっ、そうなの!? あ、わ、わたしももちろんついてきます。闇と光があるから色があるし、色があるから、闇も光もあるんだと思う、よ!?」
「何でそんなに自信なさげなんだよ!!」

 拓也くんからのつっこみをいただきましたが、わたしだってケルビモン倒しに行きたいです、はい。
 友樹くんが「想さんってたまに変だよね」とか言ってたのも気のせいだと思います。

「じゃあ、行くぞ!」

 拓也くんが、拳を突き上げる。そして、わたしたちはいよいよバラの明星に向かって歩きはじめた。



130814
話の都合上仕方ないけど夢主さんの空気っぷり/(^o^)\

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