わたしはよわい
[1/3] 大地を揺るがす雷パワー ブリッツモン! まさか、いきなり話しかけられるなんて思わなかった。女の子がわたしに笑いかけて話していると、すぐに他の子たちも現れた。赤い服を着た男の子と、小さな男の子。それと、女の子と一緒に行動していた大柄な男の子と、白いでじもん、黄色いでじもん。 「あなた、名前はなんて言うの?」 突然女の子に話しかけられてあきらかに戸惑うわたしに、小さな男の子は名前は何ていうの? とか質問してくるし、白いでじもんはあんさんも闘士かいなとか聞いてくるし、半分涙目になる。 「え、と、比沢想、で、す」 しどろもどろになりながらやっと答えることができた。これだけ答えるのが精一杯だった。ああ、どきどきする。 「一人じゃ危ないだろ、オレたちと一緒に行こうぜ! オレ、神原拓也ってんだ」 「う、うん……よろしくね?」 こうして、わたしはこの人たちと行動を共にすることになった。どうやら元々この人たちは一緒に行動し、旅をしていたみたいなんだけど、今日はたまたま別行動をしていたみたいだった。……人、多いなあ。 「あたしは織本泉! 想ちゃんって何年生?」 「ご、五年生!」 「そう、あたしと同じね!」 「ボク、氷見友樹! あのね、ボクも進化できるんだよ!」 「す、すごいね……!」 「おれは柴山純平! 泉ちゃんと将来結婚すんだ」 「……コメントしづらい、です」 拓也くん、泉ちゃん、輝二さんは五年生、友樹くんは三年生。純平さんは六年生。純平さん以外のみんなはあのスピリットっていうのを持って、戦うことができるらしい。デジモンは、白いのがボコモン、黄色いのがネーモン。 ……それにしても。輝二さんのときは1対1だからラクだったよ、今では状況が違いすぎる。人、多すぎる。こわい。 そんなわけで、いろんなことを話しながらわたしたちは線路沿いの道を歩いていった。わたしがとってもしんどかったのは言うまでもないよ。 NOVEL TOP |