無印主とコクワモン
「こんなに焦げちゃったね」

 敵の攻撃により、マナの長かった髪は焼け焦げてしまった。俺は、マナを完全に守り切ることが出来なかった不甲斐なさを呪った。
 マナが焦げた髪に指を通すと、ばさりと束が抜け落ちた。それを見ているだけでも、俺は泣きたくなるぐらい切なくなった。

「マナッ、ごめん。俺がしっかりしていなかったから」
「違うよ。あなたはナイトモンになって、私を守ってくれたじゃない」
「でも、俺、マナの長い髪、好きだったし……っ」
「そうね、私も好きだった」

 焼け焦げてちぐはぐの長さの髪で、マナは俺に笑いかける。俺の額を撫でる。どうして笑っていられるんだ――。

「あなたと出会ったばかりの頃の私だったら、今頃怒ってただろうね?」
「マナ……、変わったな、」
「変わったのは、あなたや丈くんたち皆のお陰だよ」

 寛容の紋章を手に入れたマナは、言葉通りあらゆることに対して寛容になっていた。その成長を知っているからこそ、俺は心が痛むのだ。
 俺は昔から、出会ったことのない「加賀屋マナ」を求め続けていた。その彼女を、傷付けてしまった。

「髪はまた伸ばせばいいでしょ、それより私は久しぶりにデレデレなあなたが見れて嬉しいわ」
「ば、バカッ」
「あーかわいいなあ、コクワモンさんは」

 ぎゅ、と抱きしめられた。マナの持ついい匂いと共に、焦げ臭さが漂った。俺はそっと焦げた髪に手を伸ばす。
 俺のせいで髪が焦げても笑っていられるマナ。きっと、俺はこいつには一生敵わないんだ。

 それから、マナは髪を切った。ハサミはなかったから、ナイフで削ぐように髪を切っていた。ナイフを通す度に、ばさばさと髪の束が落ちていく。
 俺はしばらくそれを見ていて、長さの不揃いなところとかを、教えてあげていた。

「……うーん。こんなものかしら。ねえ、私可愛くなった?」
「し、知るかっ!!」

 髪を切ったマナは、死ぬほど可愛かった。だが、そんなことを聞かれても俺は「可愛い」とか、言うことはできなかった。ゴマモンが「ヘタレだな〜」とか言うから、とりあえず殴っといたけど!!




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無印主とコクワモンがいちゃこらするだけのお話。まさしく誰得……。
完全体に初進化したときイメージ。断髪もえっす。

加賀屋マナ
無印主人公でコクワモンのパートナー。小六。
25年後は多分丈と結婚してる。

コクワモン
へたれなツンデレ。
コクワモン→クロックモン→ナイトモン→スティブナイトモン。
スティブナイトモンはロードナイトモンの色違い亜種。
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