マメオ
 やっと手にした希望は、大きな口を開けてすやすや眠りこけていた。
 眠るの隣に腰を下ろし、月を仰ぐ。

「変わらない……な」

 無邪気なその様子は、あの頃のままだった。
 ずっと、探していた。――長かった。

 彼女のことはパートナーデジモンと同じくらい大切だった。ファイル島でアナログマンを倒したあと、だけは呪いによってデジタルワールドに取り残されたままだった。
 を取り戻そうと何度もあらゆる手を試みた。しかし、俺の手が彼女に届くことはなかった。それから何年も月日が流れ、俺はリアルワールドで教師となった。
 それから、フローティアで再びに再会した。既に十年以上もの時が流れていた。

「……あ」
「悪い、起こしちゃったか?」
「いや」

 はふるふると首を横に揺する。幼い横顔だった。俺と同じ年に生まれたはずの彼女の姿は、津々木たちと同じ年くらいにしか見えなかった。
 デジタルワールドで過ごすことによって、の老化はひどく緩やかなものとなってしまった。
 は俺の隣に座ると、話し始めた。

「昔は……私の方が背、高かったよね」
「ん……ああ、そうだったか」
「うん。私、もう貴方には逢えないと思ってた」

 十何年も経ってしまった現実世界では、は死者も同然だった。彼女の両親はをもういないものとして扱っていた。けれど、それも今回の戦いで終わりだ。
 デジタルワールドは、再び救われた。彼女も、呪いから解き放たれる。

「俺はね、ずっとに逢えるって信じてたよ」

 ありがとう、とが言った。膝を抱えて伏せたままの彼女は、どんな表情を浮かべていたのだろう。
 が床に突いていた俺の手に触れる。じわりとした熱が、手のひらから伝わっていった。




///
唐突にマメオ。
初代で共にDWに迷い込んで、ライバルキャラみたいな感じで夢主が一方的にマメオせんせいに突っかかってたけど
その後なんやかんやあって一人で帰還することになるマメオせんせいとDWに取り残される夢主…みたいな。
そんなお話が読みたいです……/(^o^)\
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -