タカト
「うぅっ。ひぐぅ」
テレビを見ていた彼女がいきなり泣き出して僕の着ていた服で涙をふき取った。何事かと思った。
「どうしたの?」
「無印13話!」
ああ。――ヘッドフォンをつけていたため音声が分からなかったけど、そういえば依子はデジモンのアニメを見てたんだった。
「エンジェモンがまたあえる……ってところでもうぶわぁぁああですよ」
「あー……」
依子は最近デジモンを見始めたから、今やっとそこなんだろう。
「タカトは、もしデジモンがいたらどうする?」
そんなことを聞かれて、思わず作業中の手が止まる。こんな質問を依子が投げかけるのも、彼女は僕がギルモンのテイマーだということを知らないだからなんだけど。
「もう僕はデジモンに会ったことがあるよ」
たぶん依子は冗談程度にしか思ってないんだろうな。
「そうなんだ。どんなん?」
「名前はギルモンっていって、赤くて強いんだ」
「シャア専用機みたい!」
「ほんとにいるんだよ」
僕はギルモンに会いたいな、と思った。
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08年ごろに書いた話。もったいないのでry